まさみティー『黒鳶の聖者 2』

 農村のアドリアとはうってかわって、海辺の商業都市セイリスを舞台にダンジョンの外をうろつく規格外の魔王とシビラの知恵比べ。
 とりあえず、エミーちゃんかわいい。


 自由に「魔界」を出て街中をうろつき偽金を使い、悪知恵を働かせ、ボスモンスターはすいすい変えられる。規格外の能力を持つ魔王にたいして、謎の情報収集能力と過去のデータから一歩一歩追い詰めていくシビラ。そして、ラセルの圧倒的な火力。
 第三ダンジョンでは、孤児を「安い」と表現してラセルたちを大激怒させ、ついでにさっさと逃げ出す。そして、第四ダンジョンを密かに形成するが、あふれ出たモンスターからその存在を察知したシビラに早々に制圧されてしまう。
 最終的には、偽金使いで街中をうろうろしていることがバレて、捕捉撃破される。


 セイリスの魔王の最期のセリフの「未だ、見たことのない、空を」のセリフと、それを気にしたラセルの疑問をごまかしたっぽいシビラのセリフが気になるなあ。まだ、ラセルと読者に開示されてない情報があるわけか。


 幼なじみヒロインのエミーちゃん、料理で手を切った後、料理をさせないレベルのヤンデレ風味過保護キャラ。その彼女が、厳しい戦いの中で、信頼感を積み上げ、怪我を許容しつつ守る境地に入るのがいいなあ。