ひとまる『私の上に浮かぶ「悪役令嬢(破滅する)」って何でしょうか?』

 天然な悪役令嬢が、たまたま頭の上にキャラデータが浮かぶ異能を手に入れたことから、運命を変えようと奔走するお話。「善行令嬢」になるため、体を鍛え始めるあたりの明後日の方向に飛んでいく思考がかわいい。
 前世に目覚めた訳でなく、運命を変えていくというのが興味深い。そして、転生ヒロインが困惑しまくり。


 で、国王に異能を知られ、謁見。その場で、第二王子の頭に浮かぶ文字「攻略対象 第二王子(ちょろい)」という文字を読んだところから、おもしれー女扱いで婚約者に。
 その後の第二王子シルヴィールの執着具合がなんとも。社交に出さないように誘導したり、女騎士を護衛と鍛錬の指導に派遣したり。


 そして、学園入学。なんか、「ヒロイン」とのイベントも、攻略対象とのイベントも、次々と奪っていくルイーゼさんがw
 そして、取り巻き令嬢を鍛錬に巻き込んでいくし、攻略対象ともなんやかんや仲良くなったり。暗殺者を味方に抱き込んだり。天然令嬢の天然パワーが強い。
 一方、第二王子シルヴィールは、暗殺者だの、呪いだのに攻撃を受けていて。魔術にかかって、ルイーゼに甘々攻撃をしかけてくるシーンが良いw


 「あざといヒロイン」が癒やしの魔法の力を発動させ、ルイーゼは教育係に。しかし、いじめられるとなかなか意思疎通ができない上に、前世の記憶があるだろうと言ってきて、シナリオの通りにいじめてくるように要求する。しかし、乙女ゲームの知識が全くないきっすいの現地世界人であるルイーゼは、それを「変態物語」と理解し、「ヒロイン」がいじめられて喜ぶ人間と誤解する。で、呆れながらルイーゼなりの方向にイベントを改変していく。というか、階段では自分が落ちたり、閉じ込めイベントでは快適空間を作り上げたり。
 最後は、「ヒロイン」が自力でイベントを起こそうと「暴漢」を手配するが、それが外国勢力を引き込み、さらに精神操作の呪術を完成させたレインデス子爵の手先で、ルイーゼ共々誘拐。ガチギレしたシルヴィールによる徹底的な撃滅作戦で、救い出される。
 レインデス子爵は、先代が不正で降爵。第一王子が留学している隙に、王族を精神操作して、侯爵位に返り咲こうと企んでいた。それが一気に叩き潰される。


 ラストのシルヴィールの溺愛攻撃がすごいなあ。そして、頭の上の文字は「第二王子(腹黒い)」と「第二王子の婚約者(不憫)」に変わる、と。
 「ヒロイン」は「主人公だった人」に変わって、ルイーゼが紹介したモブキャラといい感じに。