行雲流水『魔力量歴代最強な転生聖女さまの学園生活は波乱に満ち溢れているようです:王子さまに悪役令嬢とヒロインぽい子たちがいるけれど、ここは乙女ゲー世界ですか? 2』

 とりあえず、ここで一区切りできるようになっているのか。続きが出るのか、ここでお終いなのか。
 しかし、ずいぶん構成が変わっているな。ジークとリンの親が現れて引き取ろうとするエピソードが第二王子の婚約破棄の前に移動してきて、第二王子の婚約破棄騒動もバトルが派手になっている。一方で、ジークとリンの母親への援助金を着服した悪徳不動産業者のお話はオミットか。これだけ修正すると、ほとんど書き直しな感じだなあ。


 前巻ラストで魔獣退治の邪魔をしたヒドインちゃんは、拘束されることに。ついでに、ナイが聖女だとバレて、学校内での位置が変わっていく。お茶会で顔見せするはめになったり。


 ヒドインがナイを呼べと騒ぐので、幽閉塔を訪れたところ、護衛騎士のジークに異常が。ガチギレして、ヒドインちゃんを「コレ」呼ばわりするのが印象深い。観察していたら「魔眼持ち」であることが判明して、大騒ぎに。垂れ流しの魔力を盾代わりに使われて、頻繁に呼び出されたり。対策会議に呼び出されたり。にわかに忙しくなる。


 その次は、ジークとリンの親騒動。第二王子の側近にして攻略対象のマルクス・クルーガーの父親、クルーガー伯爵の隠し子だったジークとリンの双子。会ってみるとそっくりで。盛んに引き取りたいと持ちかけられるが、双子のほうは家族としての情がない。ストリートチルドレン時代の仲間、ナイやクレイグ、サフィールのほうが家族なのだな。
 ついでにナイが伯爵夫人の腰痛の治療依頼を受けてクルーガー伯爵邸に赴き、そこで伯爵の不能治療を頼まれる。しかし、実はあちこちに落胤をばらまく伯爵に堪忍袋の緒が切れた伯爵夫人が薬を盛っていたことが明らかになったり。
 結局、ジークとリンは、ナイの後援者である公爵の采配で、別の貴族家の養子となって貴族に。


 で、ラストが建国祭のパーティで、第二王子が婚約者に対して婚約破棄騒動。婚約破棄の後、魔石を使ってナイを人質にして、ヒドインちゃんを救出しようと目論む。さらに、彼を支援する伯爵は、どさくさに紛れて国王を暗殺しようと試みる。しかし、ナイの魔力に任せた妨害と魔術師団の副団長の精密な攻撃で制圧。おかげでナイは翌日血尿…


 ラストの処分が厳しくなっているな。まあ、Web原作の婚約破棄だけで、第二王子の母方の祖父の伯爵が死刑になるのはちょっと理不尽だけど、こちらでは国王を明確に狙ってるから文句なしに極刑だわな。
 第二王子とヒドインちゃんも、Web原作では幽閉塔でしっぽりな感じだったけど、こちらではナイの離間策もあって、関係破綻。ざまぁ度が上がってるなあ。「第二王子の座を降りた方に価値を見出さないでしょう」からの、「お金も地位もない男なんて愛せる訳ないわ」の流れがなんとも。幽閉塔で罵り合いの二人。
 一方で、攻略対象の第二王子側近候補組は婚約破棄騒動に関わっていないから、婚約者に捨てられたけど、連座はないのか。


 ラストのソフィーアさまのネクタイ結びシーンが良いですね。