逆木ルミヲ『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん 1』

 ツンデレかわいい悪役令嬢が死んでしまうトラウマ乙女ゲームを小林さんに布教された遠藤くん。二人で実況と解説をやりつつ、ゲームをプレイしていく二人。しかし、いきなりキャラが変な行動をはじめて、というかコミュニケーションを取れるようになって。
 そこからはプレイヤー側の遠藤くんと小林さん、ゲームの世界のリーゼロッテたちと二重写しでお話が進んでいく。
 大コマでリーゼロッテさんがグルグルしているのが印象深すぎるのだが。マンガという表現方法が、リーゼロッテの魅力を引き出しているなあ。特に最初の「リーゼロッテにちゅーのひとつでもしてください!」と小林さんに言われて、頬にキスした後の一ページ使ったリーゼロッテさんにやられる。ツンデレのギャップ強い。



 遠藤くんと小林さんは、キャラが勝手に動き出す怪現象に、リーゼロッテやバルドゥールといった話の流れ上死んでしまうキャラの生存可能性を見いだし、プレイしていくことに。
 小林さんの無防備な距離の近さが、思春期男子にはきつそうだなあ。肩を壊して野球を辞めざるを得なかった遠藤くん。球技大会に出場させられそうになって困ってるところを小林さんに助けてもらって、野球に打ち込んで「残ったものもある」と教えられたり、普通にほれるわなあ。
 ラストの黒幕というか、「なぜ繋がらない」と叫んでる男がどういう役割を果たすか。


 一方、ゲーム世界側では、リーゼロッテの当りの強い態度が、照れの裏返しであることを理解した王子がジークヴァルド王子が、徐々にやられていく。
 一話の接近されてぐでぐでになるところもだけど、「人目のないところでなら触れても構わない」と言外に言ってる食堂シーン、模擬戦が気になってこっそり見に来たり、フィーネのボロッちい杖を取り上げて、代わりのオーダーメイドの杖を「予備だから」と言いながら押し付けたり。真意が分かると、かわいすぎるシーンが。いや、照れる顔がかわいすぎるのだが。
 ツンデレは、ギャップ萌えが強い。


 一方、ゲームの「ヒロイン」であるフィーネは、レベルカンスト状態で、めちゃくちゃ強い。自分に強化魔法をかけて肉弾戦という殴り聖職者スタイルで、騎士系キャラを圧倒する。ついでに、怪我したら即座に回復魔法をかけて継戦となかなかのストロングスタイル。しかし、バルドゥール・アルトゥルの二人相手の模擬戦のフィーネちゃんのぶん殴り方、容赦なさ過ぎるw


 ラストの番外編、ジークヴァルド相手にうまく行動できなくて泣くリーゼロッテがこう、ね。というか、のろけモードにはいると、ずっと褒めっぱなしなのかw


 とりあえず、リーゼたん、かわいい。