宿題いっぱい

 なんか、読み終わって、ノートを付けていない本が溜まりたおしていて、消化が進まない。日記を見直すと、6月にものすごく滞っていたのだな。おかげで、1ヶ月以上、延長を繰り返している本が何冊か。
 とりあえず、ここ数日、返却期限が迫っている本をガンガン片付けている最中。


 今日は、あまり強くない雨が降ったりやんだり。一日、割と涼しくて、ずっとこのくらいの気温ならなあと思うところ。
 明日は晴れということで、図書館の本を返してくる予定。

遠藤慶太『六国史:日本書紀に始まる古代の「正史」』

 日本書紀に始まる六国史が、どのような方針で編集され、どのようなバイアスがかかっているのか、その後、どう読まれたかを描く本。切り口がおもしろい。けど、咀嚼できているかは微妙。というか、六国史そのものを読んだことないしな…


 全体としては、祖型となった『日本書紀』、桓武天皇の政治的影響が強い『続日本紀』『日本後紀』、平安時代安定期の『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代実録』の三パート+その後の中近世、近代にいかに読まれたかという話で構成。


 最初は、神代から奈良時代に至る『日本書紀』。
 雄略天皇から持統天皇の時代までは、445年制定で、697年まで使用された元嘉歴、それ以前の部分には、より新しい暦法である儀鳳暦が使われているというのも興味深い。雄略以前は、新しい時代に、紀年が設定されたということなのだろう。
 あと、神武天皇の即位を辛酉の年紀に、特に推古天皇9年の辛酉から1260年前の辛酉にこだわって、古い時代の年紀が引き延ばされてしまったという指摘が興味深い。それに伴って、百済などの歴史書に記された事件の年代と日本書紀に記載された年代がずれてしまっている。一方で、伝わっている歴代にはこだわって、新たに架空の天皇を挿入していないという、微妙な生真面目さも興味深い。
 日本書紀的には、神功皇后魏志倭人伝卑弥呼という解釈がおもしろいな。何らかの伝承が存在したことは間違いないようだが。
 壬申の乱のような新しい時代には、政治性が強くなる。それでも、素材そのものは割と正確であった可能性が高い。しかし、それでも天武の正統性という部分で縛られている。「全体の構成や記述の比重」によって天武の側の正しさを主張している、か。こういうところを読み解くの苦手。
 あとは、日本書紀の講義が行われたらしいとか。編集資料として外交関係者の記録や百済の歴史書が重要で、特に百済年代記類の主張が日本書紀に投影されているそうだ。


 第二章は、桓武天皇の政治的影響下で揺れた、『続日本紀』と『日本後紀』。
 しかし、なんで、『日本後紀』は散逸してしまったのだろうなあ。なんか、政治的背景でもあったのだろうか。流布が憚られる事情とか。
 あと、桓武を「英主」というのは、ちょっと微妙な気がする。血統で劣った弱い天皇が、外征と建築で自己の権威を高めようとした、個人的理由で国を傾けたわけで。平安朝の「悪政」の嚆矢だと思うのだが。
 自分の子供に皇統をを継がせようと、弟早良親王を失脚殺害。その後、弟の怨霊におびえ続ける桓武は、早良親王に関する記述を完全に削除させた。それは、時代の平城・嵯峨の両天皇の争いにも影を落とす。早良親王の記述を復活させるか、否かが、一つの争点になり得た。
 格式や木簡、正倉院文書などと突き合わせることができるので、古代史としては非常に研究が進んでいる続日本紀。政変が繰り返されただけに、編集には苦労した。あるいは、桓武の歴史書へのこだわり。そして、日本後紀の、死んだ廷臣の評伝「史臣評」の厳しい評価も入った、独自性。そして、それが、桓武のお気に入りで、その後冷や飯を食った藤原緒嗣の屈折を反映しているという指摘など。


 第三章は、平安時代宮廷社会の成熟の中の正史。
 仁明天皇一代の『続日本後紀』、同じく文徳一代の『日本文徳天皇実録』、そして、六国史の最後を飾る清和・陽成・光孝の三代を収録する『日本三代実録』。しかし、御所内で、乳兄弟をぶん殴り殺す天皇とか、本当に前代未聞だなあ。その後も、暴れ回ったようだし。
 怪しげな仙薬を飲む仁明もヤバいな。自分で飲む分には自己責任だけど、廷臣にも飲ませるとか。身体が弱くて、実際の政務にはほとんど携われなかった文徳。結局、内裏に入ることも出来なかった。藤原氏との微妙な関係。逆相続で陽成失脚後に帝位に就いた光孝などなど。あるいは、儒教マニア宇多。
 この時代の前半には、天皇との信頼関係を築くことができた学者が、その文筆の才で政治の中枢に立つことができた時代。わざわざ、席を空けて待ってる天皇とか、すごいなあ。しかし、それも菅原道真の失脚で終わる。
 また、陣定によって政務が処理され、天皇が不在でも宮廷が回るようになっていく契機となった、文徳天皇の時代。
 また、政治の安定とともに、宮中儀礼をきっちりと繰り返すことが、政治の重要課題となってきた。同時に、家柄で昇進や職務が決まるようになってきた時代。先例の情報源として、六国史は利用され、そのために、テーマごとに細分化した『類聚国史』が編纂される。
 また、職務が継承されることになり、必要な情報は日記類で事足りるようになったことが、国史編纂の必要性を薄めさせた。


 最後は、国史編纂が行われなくなった時代以降の、六国史
 続く国史は、編集作業は行われたが、公開されることなく終わった。なんか、外記の中原師平が焼いたなんて説話が、タイトルだけ残っているそうで。外記の地位を全うする上で、こういうの邪魔だったのかね。情報の秘匿を狙ったとか。
 先例の情報源としては、貴族たちが書き残した日記類で、代替できるようになる。仮名書きの歴史書栄花物語大鏡などが、それらを参照して書かれることになる。
 正史の後を継ぐのが、『源氏物語』という思想が現れるというのが興味深いな。三条西家による『源氏物語』の経典化の試み。その材料としての、六国史
 あるいは、吉田家による、「神祇」の経典としての日本書紀のの継承研究。神代の巻は、そのために写本の数が飛び抜けて多いとか。吉田家は、日本書紀を書き換えて、自分の家の家格を高めようとしたとか。アマテラスの本地が大日如来と中世流の解釈を行うなど。
 近代に入ると、中世のような秘伝による継承から、公開と出版へと、パラダイムが変わる。出版文化の隆盛。徳川家康の書写事業、徳川光圀による『大日本史』編纂事業が本文の探索と知見を深め、塙保己一による『日本後紀』の一部本文の発見につながった。
 近代に入ると、王政復古ということで、国史編纂が何度か試みられるが、結局挫折。東大の史料編纂掛による『大日本史』の刊行。その、「綱文」が「正史」の代替物のようなものであると。
 中国や台湾では、国家が正史を校訂して出版する事業に関わっているが、日本では政府が関わっていないと。これは、近代国家としては当然なんじゃないかな。特に戦後の体制で、それは難しそう。


 以下、メモ:

 反対に支障なく進行する政務・儀式などは、国家がまとめる六国史が記載すべき対象からも外された。『続日本紀』完成時の提出文書をみると、「時節に従って行われる恒例の行事は、各役所に資料が残っているから採録しない」、「以前にまとめられた曹案〔史書の原稿〕は米塩が多いため、再改訂を命じた」などと書かれている。
 古代の人びとにとって当たり前であった「米塩」(日用必要な米と塩。また細かく煩わしいことも喩えた)は、「鑑戒」(後代の拠りどころとなる戒め)をめざした史書の世界では対象とされなかった。古代の生活史を再現するためには、木簡のような日々の断片に期待が寄せられるゆえんである。そもそも史書と木簡では、史料としての対象が違うことを、理解しておこう。p.14

 後世の人間は、その「米塩」が分からなくて苦労するんだよな。役所の資料は散逸して、米塩を抜いた六国史しか今に伝わらない。
 歴史って、勉強すればするほど、わかんなくなっていくんだよなあ。圧倒的空白というか。

 六国史についてもそうである。三条西実隆・公条父子は六国史すべてを書写した。それも三条西家で書写された本文が、その後に世間に広まる六国史となっていく。反対に三条西家が入手できあかったもの――『日本後紀』全四〇巻のうち四分の三は、現在にいたるまで世に現れていない。三条西家が書写できなかったものは、今日に伝えられなかった。このことは、三条西家で行われた書写が、六国史を現代に伝えるにあたって、どれほど意義ある営みであったかを証明する。p197-8

 現代への継承における三条西家の重要性。つーか、なんで、『日本後紀』だけ散逸したんだろう。

豪雨

 午後から、激しい雨。我が家は、台地上にあるので、文字通り高みの見物だったわけだが、ホント、激しく降ったな。庭が水浸しに。
 一時、線状降水帯が熊本市の上に停滞する予報だったから、割とびびった。一時間ほどで動いたから、各地の被害はそれほどではなかったようだが、一時間に50ミリほど降ると、やはり、あちこち冠水するんだな。
 健軍川があっという間に危険水位になっていて、なんだこれはという感じが。さすがに弱すぎだろう、と。先日の鹿児島のように、50ミリ近い降水が長時間続いた場合、緑川、白川の大河川はともかくとして、加勢川水系のような中小河川の氾濫の危険性は高そう。白川は、2012年の水害以降、徹底的に改修されているけど、他は大丈夫なのだろうか。


 雷の予報が出ていたから、パソコン類のコードを引っこ抜きまくったが、結局、近くに来たのは一発だけだったな。割と肩すかし感が。まあ、何もないに越したことはないのだが。


 とりあえず、一日涼しくて助かった。

得能正太郎『New Game! 9』

NEW GAME!  (9) (まんがタイムKRコミックス)

NEW GAME! (9) (まんがタイムKRコミックス)

 新ゲーム「デストラクションドッジボール」の制作も佳境に。一方で、フランスに渡ったほたると八神も競争の中で何をしたいかを模索する。平行に展開。日本組は、八神に寄りかからないチーム、構成員の成長を目指して、頑張る。一方で、フランス組も切磋琢磨。ほたるも自分の枠内ではなく、相手の要望により添うといったプロの仕事に目覚める一方、八神も自分が何をしたいかを自覚していく。


 八神に寄っかからないで頑張ろうと努力する制作チームだが、途中の仕様変更でスケジュールが厳しくなり、炎上状態に。スケジュールが迫る中、必死に努力するが、外注のモデルのできが悪くて、修正を迫られることとなって破綻状態に。
 そこに、八神が戻ってきて、発売日の延期と外注さんの一人を連れ帰ってきて指導で、立て直す。相変わらず、かっこいいですね。最小限の関与で、元々の制作チームの自信を失わせないように配慮。
 で、次の作品では、八神がアートディレクターで、青葉キャラデで、八神が青葉を導く構図が、さらに鮮明に。


 3エピソード目の紅葉とツバメの立場逆転が面白い。
 正社員になって、ルームシェアを続ける理由がなくなった二人。で、どうしようとなったときに、切り出された紅葉ちゃんが大慌て。引き留めるために、掃除をしたり、洗い物をしたり、いつもは世話を焼かれているのが、今回だけは、立場逆転。
 で、最終的に、ルームシェアしているのは、お金のためだけではないよ、と。


 しかしまあ、青葉ちゃん、すっかりバグがあったら躊躇なく使ってくるのが、「らしい」とか言われるようになっちゃったなw
 気遣いできる良い子だけど、たまに黒いよなあw

蒲生俊敬『太平洋:その深層で起こっていること』

 以前出た『日本海:その深層で起こっていること』は海水メインだけど、本書は、一読では、むしろ地殻よりな感じで意外に思った。著者の経歴を見ると、海水の化学組成の分析が専門なのかな。それなら、海底火山の噴出物とか、深海の水温・組成の分析も、一貫した仕事の内なのかな。


 太平洋を、「柔らかい」太平洋こと海水の部分と「堅い」太平洋こと海底に分けて、紹介する。第二部は海底火山、第三部は深海の科学を紹介。


 第一部は、太平洋の概説。
 前半は、「柔らかい」太平洋。グリーンランドや南極の沖で、密度が高まった海水が沈み込み、全世界的に動く熱塩循環は著名だが、そうやって押し出されてきた海水が最終的に、太平洋でどうやって浮き上がってくるかはよく知らなかった。潮汐と海底地形によって、乱流が発生し、それによって表層と深層の海水が攪拌。温度が高くなって、浮き上がってくる。
 あとは、温暖化や人間活動が海水組成に与える影響。海水温の上昇や酸性化は、以前からよく見かけるが、難分解性有機汚染物質(POPs)とマイクロプラスチックの合わせ技は、予想以上にやっかいな感じだな。マイクロプラスチックに吸着して、それが生物の誤食によって生物に濃縮、それによって深海への移動も早める。マリアナ海溝の底から採取されたエビでも、高濃度に汚染されているというのが恐ろしい。
 120万トン生産されたPCB類のうち、36万トンが環境中に放出。それが、人間に戻ってくるかもしれない、か…
 後半は、海底。特に、火山活動について。中央海嶺ホットスポット火山、環太平洋火山帯は、高校地学を取っていれば、普通に知っている話題だが、第四の範疇として、アウターライズのさらに外、両方から力がかかってプレートに亀裂が入って、そこで火山活動が起きる「プチスポット火山」の存在。
 あとは、海底における熱水の噴出の話とか。熱水鉱床の深海に与える影響。熱水中には、マンガンや鉄、メタンが、普通の海水より50万倍多く含まれているので、相当に薄まっても、検出できる。これを目印に、熱水の噴出を探すことができるという。


 第二部は、海底火山について。
 ハワイ沖の、新しい火山であるロイヒ海山、太平洋に並ぶ天皇海山群、最後は島弧火山の観測の話。
 最初は、ハワイ島の話。プレート移動に伴って、ハワイ島も、徐々にホットスポットの中心から外れていき、新たな火山が生まれつつある。ハワイ島の南東には、次の島になる予定の海底火山、ロイヒ海山が育っていて、海面下1000メートルまで高くなっているそうな。1985年の白鳳丸の観測では、海水の成分分析によって、二重のプルームを識別。複数の熱水湧出場所があるらしきことが判明していた。そこに、潜水調査船による観測ラッシュと熱水湧出場所の発見。1996年には噴火による熱水湧出箇所の一つが、火口でクレーターになっていた話。
 このロイヒ海山から供給される鉄で、鉄の酸化エネルギーから有機物を合成する鉄バクテリアのマットが、数メートル規模で発達しているとか。さらに、比較的浅いところでばらまかれる鉄によって、太平洋全域の生物活動を支えているとか、何やら壮大な話が。


 第二の話題は、ハワイ諸島から続く海山列のうち、日本に近いところまで来ている天皇海山群の発見のエピソード。徴用されて、測量船とされた陽光丸による、北太平洋の音響探査。調べてみると、一般徴用船という範疇で、そのまま測量船として充当されたようだ。海軍の紹介線の外で海底地形の測量を行っていて、ドーリットル空襲の米機動部隊とすれ違ったりしたとか。それでいて、せっかくのデータは店ざらしになっていて、それを、戦後、アメリカからきたディーツ博士が分析。古代の天皇の名前を付けた、天皇海山群を発見・命名したという。ディーツ博士が日本の古代史に関心があったため、発見した海山に、そういう命名をしたと。命名者、戦後で、日本人ですらなかったというが意外。
 あとは、海軍の命令のめちゃくちゃさ。所帯が小さかったせいもあるのだろうけど、本当に、ダメダメだよなあ。わざわざ危険を冒してデータを取らせて、分析もしないとか。
 あとは、天皇海山群で採取された岩石から、古地磁気を検出すると、ホットスポットが南に移動していたことが明らかになったという。あれ、動くんか。地磁気の動きからは、ホットスポットの移動とプレートの移動方向の変化、両者を合わせるモデルが、一番整合的なのだそうな。マントル内部の対流に影響されて、ホットスポットも動く。


 第二部の最後は、島弧火山の噴火。こちらも、観測のエピソードがメイン。
 1952年の明神礁の噴火では、観測に向かった第五海洋丸が、噴火に巻き込まれて行方不明に。爆風の直撃を受けたらしいと。その後も、漁船が爆発に巻き込まれかけるなど、なかなか危険なところらしい。伊豆諸島沖の手石海丘の噴火の時も、測量船拓洋が巻き込まれかけるなど、海底火山の有人探査は危険が伴う。
 そのため、無人の自航式ブイやAUVを使った観測が行われているという。


 第三部は、地球で一番深いマリアナ海溝チャレンジャー海淵のような「超深海」の研究の話。
 一番深い場所探しは、19世紀後半から、各国で競って行われ、現在、一番深いとされているチャレンジャー海淵の発見は、1951年。意外と最近なのだな。複数の観測を突き合わせた結果、1万800メートル程度の深さが公認されている。で、ここには、現在でも三人しかたどり着いていない、到達の難しい場所。月には12人行っているから、それより難しいってことかねえ。投入された予算は、桁が違うけど。
 チャレンジャー海淵の底を訪れた人間は、トリエステ号のジャック・ピカールとドン・ウォルシュ、ディープシー・チャレンジャーのジェームズ・キャメロンの3人か。トリエステ号は、一度目の潜行で、観測窓に亀裂が入って、二度目以降の挑戦が出来なかったのか。フルデプス有人潜水艇、欲しいねえ。中国が、現在、開発中なのだそうだが。こういう、金のかかる科学は、中国の独壇場になりつつあるなあ。
 フルデプス無人潜水艇の分野では、日本が先行者だったけど、事故で亡失。各国のROVやAUVが事故で亡失していて、超深海の厳しさをうかがわせるな。


 6000メートルを超える超深海の観測の難しさは、ワイヤーが長くなって、重く取り扱いにくくなっていること。また、だいたいの既製品の観測機器は、6000メートルの耐圧保証しかなく、それ以上は特注か自作になってしまう
 それでも、様々な工夫で観測が行われ、データが蓄積されている。水温や塩分濃度、各種成分。海溝中にも、南極からの深層水によって酸素が豊富に届けられていたり、潮流が存在してたり、地殻変動で海水の成分が変化したり。
 生物活動の話が興味深い。海底堆積物の酸素量の変化からは、6000メートルよりも深いチャレンジャー海淵のほうが、酸素の消費量が高く、生物活動が活発。これは、海溝が、トラップになって海面からマリンスノーの形で供給される有機物が集中するためであるそうな。むしろ、食料は豊富なのが、海溝の底。一方で、人類が放出したPCBなどの汚染物質が集中すると言うことであり、深海で採取されたエビ類から、高濃度に検出されている。意外と早く、深海まで汚染物質が到達してしまう。やべーな。
 あとは、深海生物採取用のトラップとか。

 お湯のゆらぎは海底面を広く覆い、じわじわと這うように流れています。その直下には、キツネ色の物質(おそらく鉄を含むバクテリアの集合=バクテリアマット)がびっしり付着していました。お湯の湧き出す割れ目は、白っぽい天然硫黄と思われる物質で縁取られていました。熱水と海水がそこで反応し、熱水中の硫化水素が酸化されてできた天然硫黄と推測されます。
 意外だったのは、チューブワームやシロウリガイといった大型の生物が、ビデオ映像からはまったく見てとれなかったことです。68ページ図2-10に示したように、東太平洋海膨の高温熱水域が豊かな生物群集を伴っていたのに比べると、ずいぶんようすが異なっていました。その理由はよくわかりませんが、大型生物の定着できる環境が、ロイヒ海山ではいまだ整っていないせいかもしれません。p.93-4

 何十年に一度くらいの頻度で噴火しているようだし、そのくらいの時間ではチューブワームやシロウリガイといった大型生物は、定着できないのかな。深海生物の常として、成長に相当な時間がかかるのかもしれないなあ。

微妙な暑さ

 今日は出かける予定だったのだが、図書館に返す本の読書ノートが、結局付けられなかったため、順延。二、三日延滞することになってしまうが、雨がやんだ後にするか…


 30度程度まで気温が上がったが、その割には耐えられたな。西から、ずっと涼しい風が吹いていたから、西に面した窓の近くに居る限り、なんとかなった感じ。室温は31度まで上がっていたが。
 あとは、身体が暑さに慣れてきたのかな。

此ノ木よしる『変女:変な女子高生甘栗千子 3』

変女~変な女子高生 甘栗千子~ 3 (ジェッツコミックス)

変女~変な女子高生 甘栗千子~ 3 (ジェッツコミックス)

 なんか、もう、互いに好感度は十分上がっている感じだなあ。16話で高村と琉河ちゃんが息ぴったりで金魚すくいをやっていて、もやもやする千子。逆に、18話では高村が、他の男と親しげなのを見て、イライラしたり。つーか、序盤の3巻でほぼ決まっていて、10巻近く、くっつきそうでくっつかない、寸止めラブコメが続くのかあ。


 順調に、千子と琉河の二人の仲も良くなっているな。琉河ちゃんが便利屋甘栗にアルバイトで参加。12話の高村の局部を見ようとするエピソードがなんというか。
 海の家、縁日の見回り、罵り占いと、一緒に仕事をすることも度々。
 つーか、罵り占いってなんぞw
 魔法少女千子とか、スク水で客引きとか。つーか、千子ちゃん、スク水好きだな。あとは、琉河ちゃんのオナニーネタとか。真っ赤になってるのがかわいい。


 13話の山盛りエロマンガ読破の回が印象的だな。
 杉田君の目の封印が破れると、魔王が顕現する。ふしだら禁止の警告を無視すると、やばいとw