米軍への抵抗続くファルージャ

「トンネルなどでつながっていたのは確認しただけで五十軒。逃走を用意周到に準備していたようだ。米軍の中心市街地突入前に、相当数の武装勢力が、北部モスル、バグダッド南部など、別の拠点に移動したことをわれわれは確認した」

 暫定政府のサーダ首相報道官は十七日、本紙の電話取材にそう答え、米軍発表の「制圧」が実態のない独りよがりの可能性を示唆した。


イラクの暫定政府要人や行政当局者の暗殺は、最近報道されただけでもバクバを州都とするディヤラ州の高官(先月二十六日)、前駐アラブ首長国連邦大使(同二十八日)、石油省局長(今月三日)と相次いで起きている。「標的に関する正確な情報と暗殺技術がなければ不可能な事例が多く、土地勘のない外国人の主導でできる芸当ではない」と同報道官は指摘する。


バグダッド大学のサルマーン・アルジョマイリ教授(政治学)=スンニ派=は「イラク全土で既に三十五人の大学教授が暗殺された。医者や科学者などを加えると、暗殺の犠牲者は二百人を超えるのではないか。まるでイラクの知識階層を抹殺しようとしているようだ」と話す。

 同教授は、ザルカウィ首謀説を強調し続ける米国の真意を「アルカイダとの関係を訴え続けることで、米国民の支持を取り付けるのが狙い」と指摘。さらに、「外国勢力と旧政権勢力が連携している」とのサーダ首相報道官の分析に対しても「それは違う。旧政権に賛同した十代後半から二十代のイラクの若者たちが、抵抗運動に続々と加わっているのが真相。この戦争は、本当の意味でイラク市民による抵抗運動になった」と主張する。

結局、ファルージャ攻撃は空振りだった様子。ぶっ壊しただけ損という感じだ。
イラクでの知識人の暗殺は夏あたりには指摘され始めていたが、日本の新聞に載ったのは初めてのような気がする。