古寺雅男『新・天才論:教育学からのアプローチ』ミネルヴァ書房 1996 ISBN:4623027007

本棚の整理中に引っ張り出して読みふける。夕方から一気に読んだ。
大学の「教育人間学」の教科書で、なんとなく印象に残ったので、処分せずにとっておいた本。今まで通読したことがなく、初めて全体を読んだ。「天才論」に関する本は他に読んだことがなく、その分野で本書が優れているかどうか分からない。また、書物としても優れているかどうか分からない。しかし、体が欲しているという感覚で、楽しく読めた。
本書は、天才の異常性を強調することを否定し、心身ともに健全だと主張する。その上で、数人の人物の伝記的な履歴から天才を論じている。天才の天才たる所以は、質よりもその量の巨大さだとする。後半は数人の「天才」の具体的な記述。特に、創造の前段階の吸収の部分を紹介している。
そういえば、この先生、和服で講義の出てたな。本の内容とは関係ないけど。