東アジア共同体構想(情報元:電網山賊のはてぶさん)

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ここの部分は共感する。

アメリカは、国際的責任は放棄しながらも、既得権益はできるだけ手放そうとはしない。そこに問題が生じるわけである。つまり、アメリカに従っていくことは、これまでのようにある程度普遍的国際秩序を作り上げる事に協力し貢献するという意味合いを喪失し、むしろアメリカの私的利益に振り回されるという意味合いを濃くしつつあるといわざるを得ないのである。このたびのイラク戦争には、この点が際立って現れた。…国連安保理決議を取りまとめる事を断念したとき、戦争のための最小限の公共性さえ断念したのである。

しかし、東アジア共同体という集団安全保障システムの構築はほとんど無理ではないかと思わざるを得ない。
NATOの場合、それぞれの国益を巡る対立はありつつも、ソ連の脅威への対抗という一点で安全保障上の利害が一致した。
しかし、現在の東アジア4カ国を眺めた場合、そのような共通の安全保障上の課題は見出しにくい。
むしろ、日本の孤立が顕著なように思われる。韓国の安全保障上の利益は、日本と乖離しつつあるように思われる。また、中国との関係を考えても、国家の統合・政権の維持のために日本との対立を演出する、中国の海洋進出は必然的に日本の権益と対立すると、中長期的に関係改善の材料は乏しいように思われる。
日中の経済的相互依存関係が対立を緩和する可能性はもちろんありうるが、太平洋戦争時の日米にも相互依存関係が指摘されることを考えると、対立が深まった時に、経済関係はかならずしも紛争回避の手段になりえないのではないかと思われる。
そう考えると、不愉快な話だが、私的利益の拡大に狂奔するアメリカとの同盟を続けるしか選択肢がないということになる。
もちろん、中国を国際的な社会・経済・安全保障の体制に組み込む努力は必要だろうが、その前途は非常に暗いのではなかろうか。同時に、私は現在の中国の政治的安定にも悲観的なのだが。