高校以下の性行為容認せず/中教審が基本方針

http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20050714000474バカだな。そんな決定をして何の意味があるのやら。
原則論にこだわって、実際に必要なことをできなくするようでは話にならない。
記事を読むと、どうも事務局主導で出てきたようだが。


関連:中央教育審議会のページ文部科学省のサイト内)
第3期中央教育審議会委員の名簿


なんか不親切なサイトだな。分科会や専門部会の議事録はないし、かなり前から資料だけで議事録はアップされていないし。
上の記事は、6/13にあった第49回総会にからんで書かれたものだろうけど、議事録がないからどんな流れで出てきたものかは分からない(中央教育審議会総会(第49回)議事録・配付資料)。
諮問のうち一つが、「青少年の意欲を高め,心と体の相伴った成長を促す方策について」だそうだから、これに関連しているのだろう。
しかしまあ、大臣の諮問理由説明、見事なまでの保守バカって感じだな。いちいち、発言が紋切り型だし。
以下、めんどくさいので全部転載。

次に,青少年の意欲を高め,心と体の相伴った成長を促す方策について御説明いたします。
 青少年については,基本的な生活習慣や態度が身に付いていない,体力が低下している,自制心や規範意識が十分に育っていないなど,様々な課題が指摘されてきました。このため,これまでの中央教育審議会答申等での提言を受け,学校教育の改革とともに,家庭や地域社会の教育力の再生を目指し,社会全体で青少年を育てる環境の整備を進めてきたところであります。
 しかしながら,最近の青少年については生活習慣の乱れや体力の低下などが依然として大きな課題となっており,特に,青少年の学ぶ意欲や自主的,主体的に取り組む姿勢に課題があること,大人への準備を避け現状での安住を好む傾向があることなどが指摘されております。
 意欲とは行動の原動力であり,行動なくして自立した人間として成長することができないのは自明であることから,青少年の意欲の減退は極めて憂慮すべきことであります。

 このような状況をふまえ,青少年の意欲を巡る現状とその背景を検証する必要があると考えております。その上で,次代を担う青少年の意欲を高め,心と体の相伴った成長を促すために講ずべき方策について,青少年の生活全体を視野に入れ,最近の心理学等での研究成果も勘案しながら,次の事項について御審議をお願いしたいと考えております。

(1)青少年の意欲を高めるために重視すべき視点について
 第一は,青少年の意欲を高めるために重視すべき視点についてであります。
 今日の我が国社会の急速な変化は青少年の生活様式や価値観に大きな変容をもたらし,例えば,「よく体を動かし,よく食べ,よく眠る」という子ども時代として当たり前の生活を送ることを難しくさせております。また,都市化や情報メディアの日常生活への急速な浸透の中で,青少年が自然や地域社会との関わりの中で様々な直接体験をする機会が減少するとともに,青少年の家族や友人,地域住民等との人間関係が希薄化しております。
 このような生活習慣の乱れや直接体験の減少,人間関係の希薄化等の青少年を巡る現状が青少年の意欲にどのような影響を及ぼしているかを明らかにした上で,青少年の意欲を高めるためにどのような視点を重んじて方策を検討すべきかについて,御審議いただきたいと思います。

(2)青少年の意欲を高めるための方策について
 第二は,青少年の意欲を高めるための方策についてであります。
 これまで,青少年の健やかな心と体を育む観点から,調和の取れた食事,適切な運動,十分な休養・睡眠といった基本的な生活習慣の徹底が重要であるとの認識の下,子どもの体力向上のための方策を推進してきたところであり,また,栄養教諭制度の創設をはじめとした食に関する指導の充実に努めているところであります。今後は,青少年の意欲を高める観点から,幼少年期から青年期にわたる生活全体を視野に入れて,青少年の望ましい生活習慣について改めて検討する必要があると考えております。
 また,青少年が自ら体を動かし体験する中で様々なことを身に付け成長することにかんがみ,外遊びやスポーツ活動の推進とともに,自然体験や社会体験,奉仕活動などの体験活動の充実を進めてきたところであります。今後は,これらの活動をより一層推進するとともに,特に,各々の活動が青少年の意欲を喚起し向上させる実効性の高いものとなるための方策を検討する必要があると考えております。
 さらに,青少年が情報メディアに過度にのめり込むことによる悪影響が懸念されていることから,青少年の情報メディアとの適切な関わり方や,情報メディアを意欲的に活用していくに当たっての留意点等についても検討する必要があると考えております。
 これらを踏まえ,青少年の意欲を高めるという観点から,基本的な生活習慣の徹底や体験活動,スポーツ活動の推進,有害情報から青少年を守るための取組などのこれまでの諸方策をどのように充実させていくべきかについて,御検討いただきたいと思います。
 また,これらの方策にかかる具体的な取組の検討に当たっては,学校,家庭,地域社会はもとより,企業やメディアなども含めた国民一人ひとりの取組を促すための方策についても御議論いただきたいと思います。

 以上,今後の審議に当たり,当面,特に御検討をお願いしたいと考えている事項について申し上げました。2つの諮問事項について,幅広い観点から忌憚(きたん)のない御意見を頂きますようお願いいたします。
 なお,これらの諮問事項については,その内容が広範多岐にわたることから,これらを一つ一つ着実に実現していくため,本審議会におかれましては,審議の区切りのついた事項から逐次答申していただきますようお願いいたします。

「自制心や規範意識が十分に育っていない」とか「都市化や情報メディアの日常生活への急速な浸透の中で,青少年が自然や地域社会との関わりの中で様々な直接体験をする機会が減少する」とか、「青少年」に限ったことではないだろうに。そもそも、日本には、河川改修と植林で、ほとんど自然なんて残っていない。まして、そういうものを生活の基盤とする生き方は、あと30年もすれば完全に消滅するだろう。なにが「自然体験」だか。
「青少年が自ら体を動かし体験する中で様々なことを身に付け成長することにかんがみ,外遊びやスポーツ活動の推進とともに,自然体験や社会体験,奉仕活動などの体験活動の充実を進めてきたところであります」、ここもなんだかなあと言う感じ。スポーツで心身が健康に育つなんて、19世紀の幻想に過ぎないだろう?最近の高校大学のスポーツ系クラブの不祥事を見れば、考えなくても分かるだろう。ついでに、外遊びといっても、肝心の遊ぶ場がどんどん無くなっているのに、どうやって推進するんだか。