「昭和の歴史:薄れる記憶、ゆがむ記録:保坂正康」『朝日新聞』2007.10.1、4面

 この時期の時代体験である戦争の記憶をもつ者は、今や国民の2割を切っているだろう。

戦後60年以上たって、実際に前線に行った人間は最低でも80歳になっているんだよな。ニューギニア、フィリピン、硫黄島など一番悲惨な戦線を経験している人間はどんどん減っているのだろう。もともと一番悲惨な戦場を知っている人間は極少数派だろうし。