視点・論点 「チベット騒乱と中国」

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/8077.html

20世紀初頭の清末の時代、漢民族を中心としたエリートたちが、西洋や日本に侮辱されないような国づくりを目指したとき、彼らが採り入れたのは他でもない、西洋で生まれた近代主権国家国民国家の枠組みでした。近代主権国家は、一定の境界線で区切られた領域を支配する国家が、その中に住む人々を排他的に管理できるという発想に基づいています。そこで清末のエリートは、列強に取られずに残された領域、すなわち今日の中華人民共和国モンゴル国に相当する範囲を「主権国家・近代中国」にあらため、チベットやモンゴルの独自な立場を否定しようとしました。そして、日本の明治維新を手本として仏教を排斥し、漢字を知らない人々にも漢民族への同化の道を歩ませて一致団結すれば、中国は明治日本と同じように大国として台頭できると考えたのです。しかしチベット人やモンゴル人はそのような動きに抵抗し、辛亥革命の発生と清の崩壊とともに、チベットやモンゴルは自立の動きを強めました。

これが最大の問題なんだよな。現在の中国のような広大かつ多民族の国で国民国家、「ネーション」を形成しようとすること自体に無理がある。
ついでに、これが漢民族の「中華思想」と結合しているから始末に負えない。結局は文化破壊、民族抹殺になってしまう。逆に、漢民族が完全にチベット化するという考え方もありうるだろに。