「市場を公正なものに」「CDが売れるようにはならない」──著作権法改正案、参院で参考人質疑 (1/3) - ITmedia ニュース

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 参院での質疑の記事。

久保利弁護士は「刑事罰では可罰的違法性があるのかどうかなど全ての事件についてチェックがかかるし、違法ダウンロードでもチェックは当然かかる」と簡単なダウンロードでは検挙されないだろうとの見通しの上で、「なにを萎縮するのか。違法行為をしないように萎縮するのであれば、それは抑止なのではないか。それで音楽から離れていくなら仕方がない、正規品も欲しくない、CDも欲しくないという音楽しか作ってないのなら仕方ないだろう」と述べた。

 法匪って、自分の逃げ道だけはきっちり確保しているんだな。これで売り上げが落ちたら、「音楽業界が無能だから(キリッ」ですます気か。あと、濫用が起こったら針千本呑みやがれ。
 あと、「市場を公正に」というが、一方で著作権法には文化の振興っていう目的があるのを忘れていないか。だんだんと締めつけていって、音楽文化そのものを絞め殺していっているのだが。


 ここで表明されている懸念は至極まっとうだよな。違法化して効果があったのかなかったのかも検証せずになし崩しに刑事罰の導入されていいのかとか、「私的領域への刑事罰導入は極めて慎重であるべきだ」とか、一部への恣意的な処罰の懸念とか。ユーザーが理解しないまま刑事罰を受ける可能性とか、量刑のバランスとか。

「違法ダウンロードの被害は6800億円近いという調査結果があるが、CDのピーク時だった90年代後半の市場が6000億円だったのに、被害が6800億円というのはバーチャルに過ぎるのではないか」と、根拠などが偏っているのではないかと指摘。

 むしろ、過去には、現在の何倍も流通に乗らない形で音楽が流れていたんじゃないかと思う。90年代後半だと、カラオケからの著作権料の徴収でまだもめていなかったっけ。店でも、BGMとしてヒットチャートの上位を流していたし、テープの貸し借りなんかもあったわけで。
 「萎縮」という言い方が悪いんだよな。そもそも、自由な(海賊的な)流通の一定割合が、実際に売っているものを買う。そういう流通を著作権で縛って、流通量を減少させれば、そもそも音楽に接して、音楽を買う人間自体が減っていく。「流通量の減少」と理解すべきだと思う。聞かなくなれば、音楽なんか買わないでしょ。


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