ドイツ武装SS師団写真史〈1〉髑髏の系譜―写真・ドキュメント・編成図で追うドイツ武装SS全師団の足跡
- 作者: 高橋慶史
- 出版社/メーカー: 大日本絵画
- 発売日: 2010/03/01
- メディア: 大型本
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本書で紹介されている師団のなかで、まともな師団と言えるのはトーテンコップフとノルトくらいのものだよなあ。第18「ホルスト・ヴェッセル」以降の師団はなかなか酷い。母体のSS第1歩兵旅団が東部戦線の後方警備任務で、パルチザンと戦い、ついでに住民を虐殺しまくっている上に、スロヴァキア軍の蜂起の時も徴募したドイツ系ハンガリー人の民族的な感情のいきががりから虐殺暴行略奪。義勇兵師団はまともな武器も与えられないまま、右往左往していただけといった感じ。
あと、戦後の義勇兵たちの末路も悲惨のひと言に尽きる。ホルスト・ヴェッセルの敗残兵は復讐に燃えるチェコスロヴァキア人に虐殺される。ハンガリーの師団は高級将校はハンガリーに送られて大半が処刑。下士官兵は罪に問わないと言われて帰国した兵士も処刑や強制労働。フランスに逃げたのは炭鉱送りか外人部隊かで、外人部隊に入隊した兵はベトナムのディエン・ビエンフーで戦死か捕虜という。それでも半分程度はアメリカやオーストラリアに移民が認められているだけましで、ベラルーシの義勇兵はソ連に引き渡されて、大半が処刑かシベリア送りだもんなあ。