『有人潜水調査船しんかい6500:模型と写真で見る「しんかい6500」の活動と実績』

 バンダイとハセガからしんかい6500のプラモが発売されたのに合わせて制作されたムック本。オフシーズンの解体整備の状況や運行状況、プラモデルの作例、関係者へのインタビューなどで構成されている。まあ、副題にある「実績」って部分は弱いような気がするが、まあ、メカ的な紹介が主体だしな。
 1/3近くを占める分解整備の部分が興味深い。本当にフレームと耐圧殻以外は全部外せてしまうのだな。最後は見事に骨ばかり。あと、機器の隙間にこれでもかというほど浮力材を詰め込んであるのも興味深い。資料性に優れた本。あと、2012年に推進機を交換して船尾に大きなモーターひとつから、小型のモーターを並列で搭載する方式に改め、後部に水平スラスターを搭載する改装を行ったそうで。そのあたりも紹介されている。操作性の向上がみられるとか。
 細かいところでは、潜航時には耐圧殻内には純酸素が満たされているって話も興味深い。今まで発火事故はないそうだが、電子機器なんかからの発火の危険性はないのだろうか。あとは、次世代の深海調査船の構想で透明な耐圧殻にしようという話とか。どんな素材を使うのだろうか。あと、潜航深度が3500メートルというのは、足りないのではないだろうか。