高橋慶史『ドイツ武装SS師団写真史2:遠すぎた橋』

 シリーズ2冊目。
 この巻は、マーケットガーデン作戦で正面に立って戦った第9、第10戦車師団とオランダ・イタリアのSS義勇兵師団を取り上げている。
 前者の二師団は、1942年編成という比較的後発の師団の割には、装備もいいし、結構見せ場がある感じだな。SS第9戦車師団ホーエンシュタウフェンはフーベ包囲戦、ノルマンディー、アルンヘム、アルデンヌ、春の目覚め作戦と、著名な戦闘を渡り歩いているし、第10戦車師団フルンツベルクもアルンヘム以降は別行動になっているが、アルザスやステッティンあたりで攻勢作戦に参加している。シャーマンを12両鹵獲して、最後まで使っていた話や土壇場までまとまった機甲戦力を維持していたのが、最後の二週間であっというまに消滅していく状況が印象的。
 後半は、前巻と同じくSSの外国人義勇兵部隊の話。オランダとイタリアの話なのだが、SS義勇兵の末路って、どこも血なまぐさいのだな。オランダでも、最終的にかなりの将兵が国家反逆罪や戦犯で死刑になっているそうだし。まあ、治安戦を担当した部隊として、恨みも相当買っていただろうし。師団規模では投入されていないが、大隊規模で前線に投入された兵士は、かなり敢闘しているのが印象的。あと、ここでは治安戦については、作戦行動だけしか言及していないが、実際には結構血なまぐさかったのだろうなと思ったり。