ノルウェー式の資源管理は日本の水産資源復活に直結するか?  WEDGE Infinity(ウェッジ)

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 もう、かつてみたいに自由に獲ること自体が無理なんだよな。人類の漁獲能力は、自然の再生産能力を上回ってしまっている。再生産のための「種」をきっちり残しながら、残りの資源を分け合うしかない。それには個別割り当てしかないだろうな。特に、沖合から遠洋の巻き網なんか。こういうのの政治決断は早ければ早いほどいいし、わりと確実性の高い復興手段が既に提示されているわけだからなあ。
 資源の変動に対応して禁漁を行うことで、資源の中期的な回復が期待できると。
 まあ、日本は「公」という観点から、ロジカルに議論するのが難しいんだよな。「自由権」の問題もあるし。むしろ、私有財産権なんか、日本では暴走している感があるし。
 あとは、外洋での取り締まりが難しいってのも考える必要はあるだろうな。『銀むつクライシス』なんかを見ると公海は未だに乱獲の巷としか言いようがないし、密漁の取り締まりは難しい。

なぜ、日本は依然TAC魚種を7種から増やすことに難色を示しているのに、米国は2012年に、漁業対象の全魚種の528魚種にTACを広げたのでしょうか? 理由は簡単で、米国はTACで管理した方が、将来の水産業のためになると真剣に考えたからなのです。北欧も米国と同様ですが、日本とのこの違いが、成長か衰退かの分かれ道となってしまうでしょう。