「甲子園出場記念」碑

 必由館高校の正門、井上毅生誕地碑の向かい側にある。2003年の甲子園出場を記念して、2008年に建てられたものらしい。阿久悠の詩を中心に、複雑な形状の石碑。
 裏面になにか彫られているか確認するのに時間がかかった。あっちのほうにはめったに行かないから。




石碑正面

甲子園の詩
  走る
     阿久 悠
バント安打も 四球も
塁にさえ出れば
結果
三塁打と同じことになる
走る 走る


快音快打で
センター奥深く破らなくても
とにかく
塁を駆ける切符を手に入れれば
走る 走る
同じ戦慄を相手に
与えることになるのだ


鈍い音 小さな飛球
それでも野手と野手の間に
ポトリと落ちさえすれば
豪打長打の天才たちと
肩を並べることが出来るのだ
オーバーフェンスの力がなければ
それで価値がなくなるのでは
野球の神様に申し訳ない
だから
走る 走る
小さな野球を掛け算にして
きみたちは見事に
きみたちの野球をやってみせた


熊本市立必由館高校
きみたちの
きみたちによる
きみたちのための走る野球


少しばかり湿り気を帯びた
甲子園の空気の中を
駆け巡るきみたちに
人々は目を見開いて驚く
走る 走る
さらに
走る 走る
豪打一発も夏の歓喜だが
油断のならないめまぐるしさも
違ったスリルをはらんで
人々の心を捉えたのだ



台座正面

ぼくは
 天才探しをしているし
  怪童探しもしているが


たとえば必由館のように
 平凡を逆手に取って
  個性にしたようなチームも
   また嬉しい発見なのである


それは自分たちの
    発見でもある


       阿久 悠
        作詞家・作家



右側石碑

第85回全国高等学校
野球選手権記念大会
   出場者
部長  鹿子木賢輔
副部長 園田 松吾
監督  西田 尚巳


主将  川上 健輔
選手  平  和也
    松岡 孝高
    山中 浩史
    竹本 勇一
    鍬柄 康介
    勝田 剛士
    浦田 真之
    本田 一修
    周宝 光春
    田中 佑樹
    中村 彰吾
    古田 倫生
    吉永 将人
    井上 達規
    長小田拓輝
    森数 紘一
    田中 公規


    平成15年8月



左側石碑

  甲子園出場記念
熊本市立必由館高等学校
  野球部後援会
 同窓会[いてふ会」
   平成20年8月吉日建立