nix in desertis:なぜローマは崩壊したのに中国帝国は存続したか

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 うーん、ヨーロッパ中心主義に考えすぎなんじゃないかな。地中海世界ローマ帝国の中核と考えると、ユスティニアヌスの時期やイスラム帝国の初期、地中海の東岸・南岸を制圧したオスマン・トルコなんかは立派に後継国家足りうると思うのだが。実際、オスマン帝国は、自意識としてもある程度そういう認識があるんじゃなかろうか。イベリア半島はともかくとして、ガリアやブリテン島は、「ローマ帝国」からすれば切り捨て可能な「辺境」に過ぎなかったわけだし。というか、「ローマ帝国」は西半が切り捨てられて、1500年までコンスタンティノープルに存続したというのが正しい理解だと思う。
 逆に、中国の社会ってのは、構成している人々や領域がものすごく変わっていて、「存続していない」と考えたほうがいいと思う。むしろ、イデオロギー的な「擬制」が近代に至るまで維持されたと考えたほうがいいんじゃなかろうか。全部が「中華帝国」と主張しているだけで、実際の社会のあり方と同じように考えるのは間違いなんじゃなかろうか。実際、内部の社会構造や制度的なあり方も時代によって大きく変わるし、途中では遊牧民による征服王朝や南側の王権による統一なんかもあったわけだし。そもそも、お互いに言葉が通じない同一「民族」とか、それは定義がおかしいとしか言いようがないし。
 ヨーロッパも、それこそ18世紀あたりまで、統治の正当性をローマ帝国に求めるというのが普通に行なわれていたわけで。