書評メモ

[本]『動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか』 - HONZ

 ソンミの虐殺は、日常的におこなわれた虐殺行為の一つでしかなったと。そして、表ざたにならなかった事件は隠蔽されたか。戦果の水増しのために民間人殺害とか、どこの悪役国家だよ。それも、政府や軍上層部からのプレッシャーでおこなわれたって、ダメダメすぎる。
 そして、イラクにおいても、敵の見分けがつかない状況で大量の巻き添え死亡者を出している。全然、学ばなかったのだな。

教授は話を聞くなり、その文書が消えてしまわないうちに複写してくるように言い、即座に小切手にサインすると、コピー代としてタースに手渡した。

これらの資料は翌年、ロズナー教授の予想どおり、国立公文書館の公開資料棚から消え失せてしまった。非公開扱いとなり、いまでは法にもとづく情報公開請求が通らなければ閲覧できないらしい。


[本]苛烈な暴君か、有能な君主か 『人間・始皇帝』 - HONZ

 同時代文字史料が出てきたのは大きそうだな。メモ。

[本]『環境から解く古代中国』 | 学退筆談

 メモ。確かに、目次から興味をそそられる。漢代以前の中国における、人間と自然環境のかかわり。

[本]イスラム教徒は、好戦的でも排他的でもない | Books Review | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 『イスラーム 生と死と聖戦』の著者、中田考氏へのインタビュー。この人の場合、極端すぎて、どこまで敷衍できるのかあやしいのが…
 はっきり言って、ムスリムの限界は、そうやって人間の約束事を軽んじて、「神」に丸投げしてしまうことなんだよな。だから、安定した国家を形成する原理を作りきれない。

[本]今の日本が「滅びた国々」に酷似しているワケ | Books Review | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 なんとも、アレ感が。
 ヴェネツィアの衰退にしても、ずいぶん前から資源の問題が指摘されているのだが。船に使う木材の供給が難しくなったことが、商業覇権に影響したと。
 再生産の問題を言うなら、ローマ共和制末期の元老院貴族も、同じような状況を示していたが、繁栄は続いた。
 議論の題材がダメダメだろう。

[本][教育]学校はなぜ「巨大組体操」をやめられないのか | オリジナル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 内田良『教育という病』の著者インタビュー。
 いつの間にか、巨大人間ピラミッドが競うように取り入れられ、それで重篤な障害を負う子供が増えている。で、これが増える要因として、保護者の要望と教員の側の「学級経営」に便利という二点があると。そのために、子供のリスクもダシにされている側面があると。
 ピラミッドは減るだろうけど、今度はタワー型へ移行する可能性。でも、タワー型の方が危険度が高いという。組体操は、体格や体力にバラツキがある子供が、たいした練習をせずにできるものではないと。

華やかなものを求めるんじゃなく、「子どもが元気に育っている!」というところで、満足する。そういう運動会が、本当はいいんでしょうね。


[本][教育]なぜ中高の「部活動」は"強制"になったのか? | オリジナル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 上の続き。今度は部活の問題。教師たちの無償労働によってまかなわれているゆがみ。
 あと、内田氏が金髪の理由。良い話だ。

[本]だから経済学は「科学」として扱われない | 週刊東洋経済の書評から | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 そもそも、経済学の根本に、「数式で表せるような合理的社会であるべきだ」という思想があるように思う。イギリスやアメリカの近代のイデオロギーの反映というか。
 そして、その、「自らの政治性」に無頓着なのが、経済学を有害にしているところがある。
 一方で、数式で表現できた人間社会の動きが、人間社会を動かすパワーの一つではあるんだよな。かなりパワフルな。だからこそ、それをどう扱うかの、自らの政治的立ち位置を自覚する必要がある。

[本]「歴史」のスゴ本オフで、積読山がさらに高くなる: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

 歴史関係のスゴ本オフで紹介された本。80年代あたりの中公新書の世界史本って、名著が多いんだよな。

[本]『なぜエラーが医療事故を減らすのか』はスゴ本: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

 「なぜなぜ分析」で、掘り下げると、逆に人にせいになって、トラブルが増えると。多くの人がかかわっておきる事故で、つるし上げは意味がない。
 で、エラーを受け入れ、賞賛しろという逆転の発想。複雑な人体、多数の関係者、多数の薬品や技法という複雑なシステムの中で、人体が医療介入にどういう反応を示すかは、予測できない。経験的にリスクを下げようとしているのが現状。多くのチェックを抜けておきるエラー。ヒューマンエラーはむしろ結果である。司法の介入は、勝ち負けに収斂して、真実の解明を妨げる。
 しかし、「賞賛」の仕方次第のような。

[本]『市民のための世界史』はスゴ本: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

 メモ。大きな本は、手間がかかるだけに、サンクコストで、批判しにくいか。なるほどねえ。