「うちのイチ押し:熊本交通センターホテル(熊本市):やっちろトマトジャム:果肉ごろり酸味と甘さ」『朝日新聞』11/2/16

 交通センターは建て替え中だけど、センターホテルはどうなるんだろうな。
 しかし、ジャムが一瓶1000円というのもすごい値段。

 見た目は定番のイチゴジャム。スプーンですくって口に運ぶと、トマト特有のさわやかな酸味が舌に広かった。でも、後味はやはりジャムらしい甘さ。ごろりと残る果肉は甘いような、酸っぱいような何とも不思議な味わいだ。
 昨年12月、「ホテルの新名物に」との期待を背負って売り出された。その半年前、ブームが落ち着いた「食べるラー油」に続く新たな土産物の開発を思案していた総支配人の坂本康治さん(50)が、雑誌関係者から「これからは野菜ジャムがはやる」と勧められ、思いついたという。
 トマトの産地、八代市の農家から型が悪くて市場に出ないトマトを直接、買い付け
た。加工は、ホテル関係の食品製造を手がける福岡市内の業者に依頼。トマトと水あめを主原料に、味を引き締めるために少量のレモン果汁を加えた。パンやクラッカーはもちろん、チーズやヨーグルトなど乳製品との相性も上々。ホテルの朝食コーナーに試食
用を置いたところ、宿泊客から。「こんなの食べたことない」と驚きの声が上がったという。
 試作段階では、味や濃さ、色合いが異なる5種類を用意し、「最終的にはトマト嫌いの声を反映させました」と坂本さん。酸味と甘みのバランスが最も良いと判断したものを、トマトが苦手な男性従業員2人に食べてもらった。渋々応じた2人が「これはおいしい」と口をそろえたため、採用が決まった。
 ジャムをお土産に付けた宿泊プランも1月から売り出した。ホームページの説明には
「領収書には特典内容は明記されません。『宿泊料』と記載されます」とサラリーマン
にうれしい配慮も。すでに予約も含めて20人ほどが利用したそうだ。
 230グラム入りで1個1千円。熊本交通センターホテル(096・326・8828)でのみ購入できる。       (岩崎生之助)