特別展「ランス美術館展」

 県縁の画家としてコレクション形成中の熊本と晩年をすごしたランスという、レオナール・フジタを媒介とした企画なのかな。ランス美術館が蓄積してきた17世紀以来の絵画コレクションとレオナール・フジタ関連のコレクションの展示。なかなか充実したコレクション。最近、西洋美術に興味がなくなりつつあるが、こうして見ると、意外と楽しい。
 二点出ていた静物画が印象に残る。17世紀のストンメ「レモンのある静物」とゴーギャンの「バラと彫像」。前者は、ステムにトゲトゲのついた「レーマー杯」とその質感が良い。後者も、なんか印象に残る。
 あと、やっぱりバルビゾン派の風景画が好きだね。個人的に。
 肖像画がたくさんあるのが、一見した特徴。17世紀の王侯から20世紀に到るまで。ヨーゼフ・シマの「ロジェ・ジルベール=ルコント」が印象に残った。


 レオナール・フジタのコレクションが充実しているのも特徴。三つある展示室のうち、一つがフジタの作品。晩年に力を注いだノートルダム・ド・ラ・ペ礼拝堂のフレスコ画下書きの素描がたくさん。あとは、フジタ作品がいろいろと。「ノルマンディーの春」を見て思ったのは、同時代の少女雑誌と挿絵の雰囲気と似ているなと。「授乳の聖母」にも、そういう雰囲気が。色使いかな。なんでだろう。