横塚司『ぼくは異世界で付与魔法と召喚魔法を天秤にかける 8』

 そして、ウロボロスの輪は閉じると。
 異質な知性体との接触・混合って、瀬尾さんが好きそうなネタだよなあ。『スカイ・ワールド』シリーズのアリス・波融合体や『約束の方舟』のベガーの元になった存在みたいだな。あるいは、コノハ・サクヤ融合体や『円環のパラダイム』の共生種族みたいな。白い部屋の作成者はミアだったと。カズとミアの「娘」は誰なんだろうか。これから登場するのか、アリスかたまきあたりだったりするのか。


 大陸を保持する「楔」二本を確保し、さらに「四天王」の一角アガ・スーを退け、滅びの予言を回避した人類軍。続いて、攻勢のために、世界樹周辺の砦の奪還作戦を始める。捕えられていた人から情報を得て、幽雷湿地へ。そこにある、「虹色のドーム」内で、異質な知性体と接触。ミアは、混合して、物語から一旦退場。
 和久は、ミアから送られた大量のMPを使い、専属契約を行った強力な使い魔三体をさらに強化。四天王の一人、ザガーラズィナーを倒すことに成功。ここで、この巻は終わり。


 一気に、物語の枠が広がったな。「魔王」が異界からやって来た、知性体の一部であり、さらに学園の転移と引き換えに地球へ移動している。
 四天王はアガ・スーとザガーラズィナーが倒され、あと一体は動向不明。楔の自爆に巻き込まれた? 魔王から離反したアルガーラフとは、今後、どう対決するのか。
 最終的に、どう決着をつけ、カズたちはどういう運命をたどるのだろうか。おとなしく最終巻を待つか、Web版を読むか、迷う。