- 作者: 五十嵐太郎,菊地尊也,東北大学五十嵐太郎研究室,野口理沙子,一瀬健人
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2016/07/01
- メディア: 単行本
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美術館や大学が多いのは、やはりそういうところが実験的な空間構成をやりやすいってことなんだろうな。多少、変でも、使いにくくても、それが表現みたいに納得してもらいやすい。
あと、本書の最初のほうでは、住宅が多数紹介されているけど、こういう建築家の作る住宅って汎用性にかける気がするな。ガラスで素通しとか、プライバシー的にもなあ。別邸みたいなのも多いし、普請道楽って、本当に金持ちの遊びだな。個人的に、住めそうと思ったのはマイレア邸と能代の住宅くらいかな。あるいは、トンネル住居か。最初のチュートリアルみたいなところに紹介されている「立体一室住居」、図面とか写真見るとワクワク感があるし、かっこいいけど、これ年取ってロフトへのはしご上れなくなったら、住居として使い物にならないよなあ。そこまでいかなくても、なんかの事故で腕を骨折したりしたら、1.4メートルの段差が、厄介な障壁になりそう。そもそも、物を溜め込む人は、かっこいい住宅には住めないな。
全体の構成は、「住宅の図面を読む」、「平面図、あるいは配置図を読む」、「断面図から空間を読む」、「構造を考える/環境を調整する」、「増改築する」、「独特の図面表現を知る」、「空間の概念/新しい空間」の7項目から、75講。重複があるので66建築が紹介される。
現代の建築家が「空間」を最大のテーマとしていることは分かるな。あるいは、それぞれの建築で建築家がテーマとした諸問題。
最初の方はともかく、最後の2章は、もうさっぱりわからなかった。
とりあえず、一通り目を通した後で、紹介された建築をググルと、なかなかおもしろい。個人的には、リノベーション建築である倉敷アイビースクエアや「ゼンカイ」ハウスが興味深い。あと、東光園にも、泊まってみたいな。