安藤邦廣+筑波大学安藤研究室『小屋と倉:干す・仕舞う・守る 木組みのかたち』

小屋と倉 干す・仕舞う・守る 木組みのかたち

小屋と倉 干す・仕舞う・守る 木組みのかたち

 再読。なんか、読むのに時間がかかった。
 地理院地図とグーグルストリートビューを利用すれば、居ながらにして、けっこうどういう建物があるかを知ることができる。すごい時代になったものだ。
 分解図や断面図などの図面が多数収録されているが、今の私の知識では、それがどう組み合わさっているのか、いまいち理解できないのが悔しいところ。
 今回は、後半がおもしろかったな。集落の周辺に、まとまって倉が立地する群倉というのが、山間や島嶼の集落に存在すること。それらの群倉は、それぞれの地形によって形が違うと。また、最小限の生存可能性を維持するために、母屋と倉は離して立地する。
 飛騨古川の種蔵集落の倉、対馬の巨大な石で葺いた倉、北上の繁柱の板倉、八溝山地のせいろう倉などが印象的。角材を組み合わせたせいろう組の建物って、頑丈そうには見えるが、耐震性はどうなのだろう。それぞれの角材がずれてバラバラになったりしないのだろうか。
 伊豆新島の石造住居も印象的。地元で取れる軽石製の建物がかっこいい。モルタルで強固に接着できるので、全部石造りの建物とか。あとは、防火・防風のために、庭を囲うように建てられた、石造りの建物群がいいなあ。
 あと、天然のスレートは憧れ。