瀬尾つかさ『白夢:放課後の霧使い』

白夢 放課後の霧使い (富士見ファンタジア文庫)

白夢 放課後の霧使い (富士見ファンタジア文庫)

 瀬尾つかさ作品の中では珍しく、初めての再読。
 やはり、主人公の個性が問題なのかな。周囲との摩擦を避けたい主人公では、物語が駆動しにくい感が。主人公の秘密について知っている人間も、遠慮してしまう、良い人間なのが、さらに話の展開を遅くする。
 異世界とそこから流れ込んでくる「霧」。そこから現れる「はぐれ」と、それと戦い、学園を守る霧使いたち。ガジェットは魅力的なんだけどね。
 主人公が、霧の中で拾われ、両親と思っていた人たちは肉親ではなかった。そして、するっと異世界に壁を越えてしまうラスト。