記念講演「恐竜時代の支配者:進化するモンタナの恐竜たち」に出撃

 ここのところ天気が悪くて、講演会の類は、約一月ぶり。
 御船町恐竜博物館で開催される特別展に関連して、県庁で行われた講演会。ロッキー博物館学芸員のスカネラ博士による講演。だいたい、講演会って、お年寄りがメイン客層と言う感じだけど、恐竜ネタだと、小学生くらいの子供をつれた家族や高校生が多い。前の方に第一高校の生徒がずらっと並んでいるのが目立った。
 英語で話して、一フレーズ程度ごとに通訳が入る方式。意外と、何言っているか分かるな。5割くらいか。その後に通訳で答え合わせができるから、だんだん分からなくなるということもないし。


 全体としては、モンタナ州の研究フィールドの豊かさ。ジュラ紀から白亜紀の長期間のおよぶ地層が存在し、大量の化石が産出する。多数の標本があるため、社会や成長段階の研究が可能と。マイアサウラトリケラトプスなどの多産する種では、化石を輪切りにして、骨組織に現れた成長にともなう年輪上の線を数えて、年齢を推定するというような研究を行っているとか。贅沢な研究だなあ。


 マイアサウラやトロオドンの営巣地の発見。トロオドンの営巣地から発見されたオロドロメウスは雛の餌として与えられたのではないかという話。
 また、長期間の地層が存在するため、長期間の進化の過程が追える。鳥脚類では、アクリスタヴス→プロブラキロフォサウルス→ブラキロフォサウルスと新しい年代ほどとさかが発達する状況。角竜では、二足歩行のケラシノプスが発見されている。近縁なのは中国のインロン。出自は東アジア方面なのではないかと。そこから、三十種以上の多数の角竜が分岐する。
 角竜の代表、トリケラトプスは100体以上が発掘され、サンプル数が多いことから、多様性の研究が行われている。トリケラトプスは成長過程で、非常に大きな形態の変化を見せる。角の骨組織の研究から、トロサウルストリケラトプスの老齢個体なのではないか。あるいは、時代ごとに形態が異なり、下部層では角が短く、上部では長くなり、くちばしの骨も変化する。これらの要素から、上部と下部では、種類が違うという結論になった。中間部分では、両者の特徴が混ざった化石が産出するという話など。講演者のスカネラ博士って、しばらく前のトリケラトプスがなくなる騒動の研究を発表した人だったのか。
 あるいは、ティラノサウルス系では、ダスプレトサウルスの話。ティラノサウルスはむしろアジア型の方が近いとか。鳥が恐竜の子孫だという話。


 初心者にも配慮してか、割と基本的な内容だったな。質問時間が30分ほどとられたが、ほぼ子供だったのが印象的だった。