御船町恐竜博物館「肉食恐竜2019:ミフネリュウ発見から40年」

 今年の夏の企画展。行こう、行こうと思いつつ、結局、ここまでずれ込んでしまった。
 タイトル通り、肉食恐竜と日本で発見された恐竜化石の展示。メインは福井の恐竜博物館から借りてきた各種の全身骨格レプリカと日本各地で発掘された恐竜化石のこれまたレプリカ。もうちょっと本物が見たかったな。特に、御船層群産の化石。いや、常設展示には本物が展示してあるみたいだけど。

肉食と草食:顎と歯の秘密

 最初のコーナーは歯の出現。割と時間が経ってから出現したのだな。エラが変化したらしい、と。草食動物と肉食動物で歯の形態に違いが出る。あとは、哺乳類の複雑な歯。複雑に咬合し、食性に適応した歯。しかし、その複雑な歯のおかげで、人類は虫歯に悩まされる、と。


 モササウルスの仲間のプラテカルプスは、口の中の「翼状骨」にも歯が生えている。この写真では見難いかもしれないが、確かに口の奥に歯が生えてる。



 各種恐竜の歯。肉食恐竜はわかりやすい。草食動物もすりつぶす系と引きちぎる系があるそうな。




 角竜の骨格レプリカ。種類はチェック忘れた。




ミフネリュウ発見から40年

 日本列島内で発見された恐竜化石のレプリカ展示。しかし、40年も経つのか。私が化石採集をやってた頃は、ミフネリュウの発見例しかなかった御船層群もあちこちから出土するようになっているしなあ。九州でも、各地から発見されるようになっているけど、弱点は手取層群や篠山、むかわ町のような骨がつながった化石が出ないことだよなあ。諦めなければ、御船層群でも出てくるのかねえ。


 フクイラプトルの末節骨。



 タンバティタニスの血道弓と尾椎。



 群馬県神流町から出土したサンチュウリュウの椎骨と竜脚類の歯。



 福岡県若宮町から出土したワキノサウルスの歯。



 鹿児島県下甑島から出土した獣脚類の歯と肋骨。



 御船層群から出土した恐竜化石。足跡も出てるのか。陸成層だからこそだな。あとは、獣脚類の中足骨や末節骨、胴椎骨、歯、大腿骨、脛骨などなど。








 ミフネリュウの歯化石のレプリカ。上梅木、行ったことあるけど、恐竜が出そうにはない海成層なんだよなあ。こういうのは、見つけたいと欲望丸出しだと逃げていく。


世界の肉食恐竜

 福井県立恐竜博物館から借用した全身骨格レプリカの展示。いや、私の子供の頃には、全然出てこないような種類がぞろぞろ出てきたもんだ。ただ、骨格を見て、出来だの、種の特徴を議論できる域にはないので、「ほへー、すごい」で終わってしまうんだよなあ。
 肉食恐竜セクションには5体の骨格が展示。メガラプトル、カルノタウルス、アウカサウルス、ユタラプトル、イクチオベナトル。
 カルノタウルスの腕の退化ぶりがすごく印象的。一瞬見て、あれ、これミスしてる!?とか思ったら、これで正解らしい。ここまでなくなると、不便そうだけど。


 引いたアングル。




 メガラプトル。かっこいい。





 カルノタウルス。頭骨の造形といい、腕といい、おもしろい姿の生き物だな。





 アウカサウルス。カルノタウルスに近いのか。そういう目で見ると、確かに腕が短い。




 ユタラプトル。長い。





 イクチオベナトル。これは、全身骨格標本ではなく、部分骨格を枠に沿って配置したモノ。全身は見つかっていないのだな。




多様化する「肉食恐竜」

 こちらは、肉食から草食に戻った恐竜など。やっぱり、植物を分解できるようになるには、内臓をでかくする必要があるのだな。あるいは、鳥への進化。結局、歯がなくなっちゃうんだよねえ。


 チレサウルス。




 アラシャサウルス。しかしまあ、中国やモンゴルの恐竜研究の進展がもたらした情報の大きさよ。



 コンコラプトル。こちらは母岩の中に入った状態の再現。