熊本博物館「世界の大翼竜展」

 熊本博物館70周年記念の特別展ということで、なかなか気合いの入った展示。この手の夏休み恐竜系は小学生で混みそうだから、宿題片付けに追われる夏休み末狙い。最初の方よりは空いているようだが、それでも、家族連れが複数いて、人気の程が分かる。


 メインは、福井県立恐竜博物館や群馬県立自然史博物館などから集められた、レプリカの標本・骨格群。さすがにモノホンは一体だけだったけど、けっこう、集めるとたくさんレプリカが所蔵されているのだな。あと、群馬県立自然史博物館だったかな、ゾルンホーフェン産の魚などの化石が出品されていたのが印象深し。
 しかしまあ、ゾルンホーフェン産の化石が多いこと。中空で壊れやすい翼竜が、ガッツリ保存され、かつ、古くから発掘と研究が進んでいる場所として、ゾルンホーフェンは翼竜研究の聖地だな。最近では、中国での発掘、研究がガンガン進んでいる印象だけど。


 なんか、翼竜に関しては1990年代から、まったく知識がアップデートされていなかったけど、いつの間にかモサモサ復元になっているのだな。化石から毛の痕跡が発見されている。色素の分析で種によっては色まで復元できているというのがすごい。
 歯の形態から濾過食など様々な食性に進化していたこと、アスペクト比で飛行性能を検証する研究など、いろいろと紹介されているもおもしろい。つーか、やたらと脳の大きさが小さいのが気になる。CTによる脳室の研究から視覚が発達して、飛行に適していたというが、大きさの割りに小さいよなあ。


 ランフォリンクス、プテロダクティルス、ズンガリプテルス、ケツァルコアトルスプテラノドンあたりは、以前にも聞いたことがあるけど、他ははじめて知る名前ばっかりだなあ。ジェホロプテルスとか、なんかコウモリみたいな感じだな。







 目のところに輪っかがあって、なんだこれと思っていたが、強膜輪という目の骨が爬虫類や鳥類にはあるそうで。あと、腰の骨が癒合して、動かないように固定していたという。