神坂一『スレイヤーズ16:アテッサの邂逅』

 うむ、満足。
 同窓会感あるなあ。「デモン・スレイヤーズ!」からは、18年かあ。リナとガウリイ、ゼルガディスにアメリア、ゼロスが勢揃い。戦う相手は、5巻で出てきた封魔装甲ザナッファー。既刊を読んでいるとうれしい要素がてんこ盛り。


 ゼフィーリアに帰郷すると中のリナとガウリイ。セイルーンとゼフィーリアの国境の都市アテッサに立ち寄ったところ、正体不明の賊による襲撃への対応を依頼される。そのうちに、アメリカがゼフィーリアに行く途中で立ち寄るわ、ゼルガディスは賊に潜入していて、攫われたアメリアを救出してくるわ。全員勢揃い。
 製鉄都市アテッサは、150年前に、エルフと伐採した分の木を植樹することで協定ができていた。しかし、人間による森の利用を良しとしない、環境テロリストみたいな一派が、ザナッファーを手に入れたことで過激化。ゼルガディスが押さえる方向に誘導していたが、その離脱とともに、一気に過激化する。
 それを防ぐために派遣されたエルフのアライナとともに、抑えるために戦うことになる。
 エルフたちの、ある種圧倒的な魔法技術がおもしろい。リナたちでも、単純な魔法の運用では、勝ち目がない。まして、攻撃魔法の大半が封じられてしまうザナッファーを集団で運用。不利な状況をどうカバーするかが、見所。


 やっぱり、増幅の呪符を失って、リナは弱体化しているのだな。
 あと、ブラスト・ソードを指して、アライナが「……この剣作ったひとって……あほなんですか?」とあきれるのが笑う。鞘のほうを強化して、持ち歩くのも難しい剣を何とかする方向か。
 アライナの儀式魔法で魔力を増幅して、ラグナ・ブレードを使えるようにするってのは、アイデアだなあ。