『朝日新聞』「世界発2013」から

[切り抜き][感染症]「世界発2013:薬効かないマラリア 脅威:改革進むミャンマーの国境付近」『朝日新聞』2013/4/25

 本当に軍事政権とか録でもないな。ミャンマーは、長年、公衆衛生が等閑視されてきた。そこに、多剤耐性マラリアが入ったら、一気に拡散する可能性が高い、と。この記事から5年たって、めちゃくちゃ悲惨なことになっているという感じではないが…


 東南アジアの半島部で、標準的な治療法であるアルテミシニン併用療法に耐性を持ったマラリアが、独立に出現して、広がっている。
 国境を行き来する人が多いため、水際対策が重要、と。検査キットや治療薬の供給や、管理配布の研修を開くなど、日本を含む国際社会の支援など。


アジアの薬剤耐性マラリアと日本 FGFJ ? グローバルファンド日本委員会

[切り抜き]「世界発2013:銃なき米領サモア:島独自のルールで規制:警官も丸腰・水際で取り締まり」『朝日新聞』2013/5/21

 銃を徹底的に拒否する米領サモア。徹底的に銃を排除して、公的に認められているのは、野豚駆除用のライフルのみ。警官も丸腰。国境で、徹底的に銃を取り締まる。一方で、密輸による持ち込みも増えている状況。警官が銃を所持するべきだという議論も出ている。
 前知事の言葉がもっともだよなあ。もっとも、スイスなんかも、家庭に軍用銃が置かれているわけで、アメリカ社会そのものがアレという感じも…

 言葉の端々に、3億丁の銃がはんらんする米国への批判が混じる。「銃所持は憲法で認められた権利だなんて身の毛がよだつ。家に軍用銃があるなんて、まともじゃないだろう」



 「米国の論理」に押しつぶされない抵抗か。経済的徴兵制による、イラク従軍。人口10万人あたりの戦死率が8.6人と飛びぬけて高いというのが、植民地という感じだなあ。

[切り抜き]「世界発2013:旧支配者の教会 守れ:セルビアから独立 コソボの挑戦」『朝日新聞』2013/6/13

 「旧支配者」と聞くと、宇宙的なものを連想してしまう、特定クラスタ


 コソボでは、セルビア正教会の宗教施設が危険に晒されている。世界遺産デチャニ修道院も、何度も手投げ弾を投げ込まれている、と。
 まあ、実際にジェノサイド状態だったわけだからなあ。教会が、セルビア人の象徴として、目の敵にされるのは分からなくもない。しかし、セルビア人と同じことを繰り返すだけなら、セルビア人と同じ運命をたどるしかない。
 国際的な承認拡大のために、セルビア人の保護に動き出しているのが現状。教会周辺を、教会の同意なしに開発できないようにする保護区の設置。しかし、それに対する地元住民の反発。
 なんかなあ…

[切り抜き]「世界発2013:ミャンマー難民 帰るか残るか:タイからの帰還 政権、突然の提案」『朝日新聞』2013/7/11

 民政移管で、カレン人系の難民に対する圧力が高まっているという話。5年たって、ロヒンギャ危機も発生した後では、どうなっているだろうか。
 タイにある難民キャンプの支援が先細り状態というが。拠出額の減少。さらに、新規の難民登録の停止などなど。
 若い世代だと、「ミャンマー」が知らない国状態。アメリカへ行きたいと希望する人が多い。結局、少数民族に経済的恩恵は届かない、と。

[切り抜き]「世界発2013:居留地に光と影:シェール革命の震源地米ノースダコタ:インディアン、収益を期待」『朝日新聞』2013/7/9

 シェール革命に沸くノースダコタのフォートバートホールド居留地。苦難の生活を続けてきたマンダン、ヒダツァ、アリカラの「3提携部族」の人々は、シェールオイル採掘からの収益を、自立の糧として期待している、と。
 一方で、部族の意思決定の不透明さとか、水資源の汚染、渋滞などの住環境の劣化などの問題が出てきている、と。たしかに、石油関係の仕事をしている人間が、許認可権を握るのは利益相反だよなあ。


 シェールオイルバブルがしぼんだ現在では、どうなっているのだろうか。
 あまり埋蔵量が豊富でないシェールオイルで、恒久的に環境を汚染してしまうのが、賢いことかどうか。ブームが去ったあとに、不毛の地に取り残される可能性もありうるわけだしな。

[切り抜き]「世界発2013:エジプト文化財 危機:博物館新設、資金難・進まぬ修復・略奪」『朝日新聞』2013/10/22

 ムバラク政権の崩壊、さらに、2013年のクーデターとその後の治安悪化で、観光収入が激減。保存・修復の拠点となる大エジプト博物館の建設資金が不足しがちの状況にあるという話。結局、日本が、ずいぶん資金を注ぎ込んだ形の模様。なんか、ずるずるとオープン時期が遅れているようだが、頓挫せずに建物はできて、文化財の運び込みが行われているようだ。


 観光産業の不調は、かなり、経済的にきついし、文化財の保存にも悪影響を与えていそうだなあ。毎年、定期的にテロがあるから、安全といった感じはないよなあ。
 国立博物館の略奪というのは、2013年以降起きていないようだが。
 この状況で、遺産の返還とかは、難しそう。