朝日新聞、「世界発2015」から (その2)

[切り抜き][環境]「世界発2015:温暖化 おびえる南の島:サイクロン「パム」被害のバヌアツ」『朝日新聞』2015/3/31

 2015年3月に発生したサイクロン「パム」に襲われたバヌアツのタンナ島のレポート。火山灰が飛ばされて、広範囲に酸性化してしまう。で、被害が広範囲に。
 温暖化で、熱帯低気圧は発生頻度が低下するが、勢力は強くなると分析されている。太平洋の島嶼諸国にとっては、温暖化によるリスクが一つ増えるということか。

[切り抜き]「世界発2015:トラ守れ 足跡追い2000人:ロシア極東 10年ぶり大調査」『朝日新聞』2015/4/2

 ロシア極東で、2015年に行われたアムールトラの大調査の記事。足跡や糞が見つけやすい冬に行われる。トラに襲われる危険性もあり。なかなか、過酷だ…
 アムールトラは増加傾向にある。とはいえ、300-400頭程度だから、少ないなあ。


 立ち入り原則禁止の「ザパベードニク」、狩猟採集を禁じる「ザカーズニク」などの保護区システムが機能している。とはいえ、密猟や森林の違法伐採の脅威は依然として高い、と。
 ロシアの違法伐採木材が、中国に流入。それを使った家具が日本で売られていたりするそうだ。とはいえ、そもそもは、ロシアの取締能力の低さが問題なんじゃないの。

[切り抜き]「世界発2015:望郷 基地になった島:英領チャゴス 半世紀前に立ち退き」『朝日新聞』2015/4/22

 太平洋やインド洋で、住民を追い出しての基地設置って、多いな。まあ、日本軍も、太平洋戦争中に、住民を移動させたりしていたわけだが。
 ディエゴガルシア島の貸与期限2016年末に貸与期限を迎える状況で、住民たちが帰還運動をしている。ディエゴガルシア島だけでなく、数十キロ離れたペロスバノス諸島の人々も強制移住させられているが異様だな。
 法廷闘争では、裁判所は違法としたけど、上院上訴委員会が適法という逆転判決を下した。


 とはいえ、プランテーションの復元がダメだと、住民の生活基盤の再建が難しそうだなあ。つーか、ちゃんと補償したのかねえ。


 結局、ディエゴガルシア島の借用は自動的に、2036年まで延長されたようだが。


チャゴス諸島 - Wikipedia 定住は18世紀からか。
チャゴス諸島メガ海洋保護区を巡る、脱植民地化・人権・英米の思惑、そしてウィキリークス-やしの実通信
英領チャゴス諸島 - Togetter 記事を書いた三浦英之氏のツイッターをまとめたもの。

[切り抜き]「世界発2015:大虐殺か否か 101年目の論争:オスマン帝国下のアルメニア人迫害」『朝日新聞』2015/4/28

 「ジェノサイド」かどうかはともかくとして、完全に民族浄化の虐殺だよねえ。同時期に、キリスト教徒をギリシア人として、ギリシアムスリムと交換したり。その後も続く、クルド人やその他のマイノリティに対する迫害とか、トルコに対する点が辛くなるのは、当然のことだよなあ。
 ジェノサイド認定には、移住アルメニア人のロビー活動が影響しているとか、歩み寄りの動きとか。


アルメニア人虐殺 - Wikipedia
150万人が犠牲になったアルメニア人大虐殺から100年 問題は現在も続いている ハフポスト

[切り抜き]「世界発2015:行き場を失うソマリア難民:ケニア 世界最大35万人のキャンプ」『朝日新聞』2015/5/22

 ソマリア原理主義組織シャバブによる、ケニアの大学襲撃事件を受けて、最大に難民キャンプ「ダダーブ難民キャンプ」の撤去圧力が高まっているという話。
 35万人規模だと、そりゃ、武装組織の浸透を許すよなあ。国境との間の監視を強化して、武器の流入を防ぐくらいかねえ。警官が狙撃を受けたり、地雷で車両を破壊されるって時点で、完全に拠点化しているよなあ。
 とはいえ、ここがなくなると行き場がない人たちが多いわけで。


 しかし、ガリッサ大学を襲撃したシャバブのやり口がエグいなあ。携帯電話を取り上げて、家族に殺すと電話する。首を鉈で落とす。写真を撮って学生用メーリングリストに投稿とか。大学に通っている学生の家族は、有力者だろうから、指導層に厭戦気分を起こしやすいって目論みなのかねえ。


アル・シャバブ (ソマリア) - Wikipedia
ケニア軍のソマリア侵攻 - Wikipedia
イスラム過激派「シャバブ」がケニア東部の大学を襲い、学生ら148人を殺害した事件について。三浦英之記者の呟き(閲覧注意。凄惨な写真あり) - Togetter ほぼ、同内容かな。かなりエグい写真も。
国際社会が関心を寄せない気候変動の影響が深刻なソマリランド - VICE