「活断層の存在7割『知らず』:地震前の認識 県内調査」『熊日新聞』17/5/27

 昨年4月の熊本地震で、被害が集中した地域の住民の7割が、地元に活断層があるのを「知らなかった」と文部科学省の調査に回答したことが26日、分かった。存在を知っていた人でも半数以上は「地震は多分起きないだろう」と考えていた。
 活断層への住民の認識が十分でない中、2度の最大震度7の揺れに襲われたことが浮き彫りになった。気象庁が発表した余震の確率についても「大きな余震はもう起きない」と解釈され、避難に生かされていなかった。
 調査に協力した政府地震調査委員会の平田直委員長(東京大教授)は「避難してほしくて発信した情報がきちんと理解されていなかった。科学的な数値より、直接防災や避難行動に結び付ける表現を使う重要性が明らかになった」と分析する。
 調査は昨年11~12月、被害が大きかった熊本市益城町など熊本県内の14市町村を対象に実施。18歳以上の男女7千人にアンケートを郵送し、3272人が回答した。
 地域の活断層に対する地震前の認識を問うと、約70パーセントが「存在を知らなかった」と回答。約17%は、存在は知っていたが地震は起きないと思っていたと応えた。



 何というか、無関心の壁を貫くのは、本当に難しいのだなあ。テレビはよく知らないが、新聞では、年に数回くらいの頻度で日奈久断層帯はやばいよ系の記事が出ていたのだが。関心のない人に、それを読ませるのはとことん難しい。
 さらに、余震の可能性の情報が、「安心情報」として受け取られてしまった絶望感。いや、震度7二連発。さらに、後の方がでかいとか、専門家も予測していたなかっただろう。とはいえ、私自身は、前震が意外に規模が小さかったこと。さらに、テレビあたりでも、なんか不穏な感じの指摘があったから、ある程度、懐中電灯だの、常備薬だの、メガネだのは、枕元に集めておいたんだよなあ。そう考えると、受け取る側に素養があれば、という話になるのかなあ。
 益城で、翌日に家に戻って亡くなった人が多かったのは、被災者がそういう解釈をしたからなのか。


 かといって、専門家も、余震がどういう風に推移するかは、分からないわけだしな…