北条新九郎『常敗将軍、また敗れる』

常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

 タイトルに興味を持って購入。常に負ける将軍ってなんだと思えば、そういうカラクリか。いや、おもしろい。「常敗将軍」ドゥ・ダーカスがどんな存在かが、周囲の人間の目によって明らかになっていく。


 国家の存続のために、ほどよく負ける。そのために、戦場を操り、人脈を通じ、望ましい戦いの終わりを導く。確かに、ヘイミナル王国も、最強国家ザルツボルグの新国王の盟友となるわけだから、可能性は開ける。現国王モルフランと王女シャルナの気持ちと尊厳を除けば。先に出会って、胸襟を開いた関係を構築できた方が勝ちって、運ゲー的な不公平さを感じるなあ。