笹木さくま『女神の勇者を倒すゲスな方法5:「そして日常へ……」』

女神の勇者を倒すゲスな方法5 「そして日常へ……」 (ファミ通文庫)

女神の勇者を倒すゲスな方法5 「そして日常へ……」 (ファミ通文庫)

 完結編。「女神エレゾニア」との決着編。
 奇襲を受け、魔王を失い、魔界へ撤退した魔王軍一同は、魔王の妻レギーナと合流しつつ、反撃の手段を探る。過去の超文明の書物やアリアンの父親の赤竜からの情報を得て、エレゾニアの正体を突き止め、最終対決に。
 しかし、魔導科学、便利すぎるな。クローンと記憶注入で、死者の擬似的な再生もできるわけか。森羅万象をいじくることができる一方で、大気圏外は生物がいないから、魔力が存在しなくて、ロケットなどの技術は全く発展しなかった。で、それが致命傷になって、巨大隕石の衝突文明崩壊。
 あるいは、星の維持を担う竜たち。その、垂れ流す魔力を受けて、体と戦闘力が変わった、後の「魔族」たちこと、「魔力波被害者」の存在。自身も魔力波被害者でありつつ、彼らを憎む強力な魔法使いの一人が、文明の崩壊を生き抜き、蘇ったのが、エレゾニア。しかし、負の記憶は全部、自分で消して、肉体も棄て、魔族と竜に対する敵意だけで存在し続けたって、もう、ほぼ完全に怨霊の類だな。


 とりあえず、リノちゃん、大天使。「光の女神」より、よっぽど天使という。


 後日談で、後一冊出るそうなので、楽しみ。個人的には、チョロ(元)勇者のアリアンちゃんを応援している。