瀬田ヒナコ『レーカン! 10』

レーカン!  (10) (まんがタイムコミックス)

レーカン! (10) (まんがタイムコミックス)

 いよいよ、大台到達の霊感人情コメディ。
 なんというか、天海さんを媒介に、幽霊が普通に生きている人間の生活に溶け込んでいる状況がおもしろい。つーか、この巻、天海家で、天海さんと幽霊たちがキャッキャしているエピソードが、幽霊として貫禄ないと言われて会議になる最初のエピソード、幽霊菜園、ビニールプール回と三回もあるのか。霊側の登場人物も増えてきたしなあw


 ゲスト霊たちも、印象的。美脚霊のラストの切なさとか、小袖に憑いた腕とお出かけのエピソードの楽しさとか、置いて行かれた犬の霊と飼い主の再会とか。つーか、小袖の手の回の、小袖の上から割烹着着ている天海さんがものすごく良いのですが。


 あとは、霊に迷惑をかけまくるYoutuberを、総力戦で撃退するお話とか、今更ながらコックリさんをやる一同とか。


 ラストの2編が印象的。
 前者は、付けた人間が、動物人間問わず、考えていることを読み取れるようになる心霊アイテムを無理矢理着けられた天海さんの騒動。「生前に深く愛し合った恋人の心の声を聞きたいと切に願った、酒屋さんの次男さんとの不倫関係に悩む団地妻さんの宿る耳栓」って、長いわw
 いつもと比べても、一段と無防備な天海さん。暇で遊びたいと思っていた警官に、じゃんけんを仕掛ける天海さんの笑顔がめちゃくちゃ良いのですが。あとは、井上の素数防御が。
 天海さんを守ろうとする井上だが、逆に、ナンパ男から守られちゃう。で、「守るつもりが守られちゃったじゃない、あーあ、かっこわるい」という井上の心の声にキュンとする天海さん。ひびなる尊い


 ラストは新顔登場。代返侍の生前の知り合い。ないやら、いろいろとトラブルに首を突っ込んで、代返侍に迷惑をかけまくっていたらしい。で、霊になっても、いろいろとトラブル解決を請け負って、お供えを報酬でせしめていた。最終的には「よろず屋」と呼ばれるらしい。
 代返侍に、先祖霊の正体暴きを持ちかけるが、代返侍は「先祖霊を信じる天海さんを信じる」と受け入れず。代返侍、けっこう男前だなあ。