くまもと文学・歴史館「アーカイブズに見るくまもと14」

 収蔵品を展示する企画展示。もう、14シリーズになっているけど、まとめたのは2回目か。


 熊本出身に詩人、蔵原伸二郎の作品や原稿の展示と「殿様の教養:相良家の医術・武術」ということで、相良家関係の史料展示。
 正直、詩は全然知らない。
 前者、蔵原伸二郎については、生誕120年記念。阿蘇など郷土を歌った詩や棟方志功と仲が良かったとか。あとは、戦時中には戦争詩を四冊ほど出版している。個人的には、戦争詩でどんなことを書いていたかに興味がある。


 個人的には、やはりこちらに興味が。
 相良家の殿様の技芸。江戸時代後期、相良長寬以降の文献がメイン。
 相良家当主には秘伝の薬が三種類あって、当主だけに引き継がれてきた。しかし、一時期、次々と養子が入る混乱状況が続き、それが落ち着いた長寛の時代に、伝授を受けていた意志の池から再伝授を受けた。
 その薬は、梅金丹、郎鳥円、神応散という。
 最初の薬は、梅肉をすりつぶして、金箔を混ぜ、板状に干した物。水がない状況で馬の強壮のために舐めさえたりしたらしい。基本、梅干しだよね。馬に舐めさせるための袋も考案されていた。
 二つ目は、小鳥の内臓を抜き、その中に小田原ういろう、透頂香を五粒詰め、黒焼きにする。吐血、下血などに効く。でも、これ、小田原ういろう飲めば良いんじゃね。
 最後は、枇杷葉、肉桂、呉須臾、本香などを袋に入れ、お湯の中で煮出す薬。霍乱などに効いたという。
 この時代、病気への対応には苦労していたのだな。


 あとは、タイ捨流の免許の巻物とか。言葉では分からないので口伝という内容が多いのが、ちょっと笑う。まあ、こういうの、体で覚えないと意味ないんだろうなあ。