
- 作者:片瀬 茶柴
- 発売日: 2017/06/16
- メディア: コミック
鋼人七瀬編完結。
複数の「解決」を繰り出す琴子。六花は、未来決定能力とサイトへの書き込みで反撃を行い、鋼人七瀬の存在を維持する。しかし、反撃が成功しているように見える状況こそが琴子の罠であった。
「寺田刑事の独自捜査」、「七瀬かりんの父親の手記は悪意をもって書かれたものである」、「七瀬かりんの姉が手記をマスコミに流した」とった布石は、否定されないままであった。さらに、「第四の解決」が繰り出される。
「七瀬かりんの死」は替え玉殺人で、本人は生きている。鋼人七瀬は、「七瀬かりんに似た人」の噂を消すために本人によって仕組まれたものだったと主張。オーディエンスを謎解きに誘導する。
その上で、「鋼人七瀬まとめサイト」そのものが、七瀬かりんが噂を広めるために作ったものであると主張。サイトの信用性そのものを破壊して、鋼人七瀬を消滅に導く。いったん疑惑を持たれると、六花の未来決定能力で話の流れが整えられていること自体が不自然に見えるから、かなり有効な手段だよなあ。
徐々に切り崩すのではなく、一気に発想を変えて逆転というのが気持ちいい。
ラスト1/3はエピローグ。
九郎と紗季の完全な別れ。そして、紗季は見えない存在を怖れるのをやめる。
六花の企みは、人間の想像力を誘導して「神」を出現させ、それによって不老不死を解除させようとしている。今後も、その試みをやめないだろうし、琴子が直接狙われる可能性もある。
適当にあしらっているように見えて、意外と琴子のことを大事にしている九郎さん。実は危険察知能力が低い琴子を、危険から遠ざけようとしているのか。で、鋼人七瀬の事件ではそれに失敗してしまった。
アニメでは余り描写されなかったが、マンガ版だとオーディエンスの反応がけっこう描き込まれているな。