片瀬茶柴『虚構推理 14』

 六花さんの出番が増えてきた感じだな。次巻は、ガチンコ対決か。
 前巻から続く「見たのは何か」の解決編2話、化け猿どうしが弓の所有権をめぐって争っているのを仲裁する「的を得ないで的を射よう」、そして、鋼人七瀬以来の直接対決「岩永琴子の逆襲と敗北」の導入の4話分を収録。


 個人的には、短編「的を得ないで的を射よう」が好きだな。
 化け猿どうしが弓の所有権をめぐって争っていて、仲裁を琴子に頼んでくる。琴子は、九郎の頭の上のリンゴを射させることに。見事、射貫いた方が勝ちという勝負。しかし、アヤカシには恐ろしいものと見え、かつ、琴子の恋人を射るというプレッシャーに負け、盗んだことと琴子を都合よく利用使用したことを白状する。
 で、オチがこれw
 かっこよく射てみたら、見事に九郎さんの心臓を貫く。これは、笑った。



「見たのは何か」、けっこう、「真相」がエグいなあ。
 ナイフがきれいだったから人を殺したって。「平凡な者が特別になった気になれる」というのは、ほんとだなあ。世の中、殺人に過剰に思い入れのある人間がいるけど、毎年1000件くらいは、殺人事件が起きているわけで。
 話はわりと単純で、あーでもない、こーでもないが長い話。つーか、ラーメン屋さん、精神を抉られただけのような…


 しかし、琴子さん、相変わらず食欲がなくなるような下着のチョイスw


 ラスト、「岩永琴子の逆襲と敗北」は、次巻の話の導入。
 日本の動物園で客死したキリン。その後、遺体は標本として博物館に引き取られたが、動物園と博物館で不幸が連続し、遠くの山の社に封じられた。しかし、近年、その社が壊れ、キリンの怨霊は解き放たれてしまった。山の妖怪たちは見守り、琴子に何かあったときにはと相談していたが、そこで山に入った若者グループがキリンの怨霊と遭遇。5人中3人が死亡する。
 鋼人七瀬のような、噂で力が強まることを危惧した琴子は介入を決意する。
 しかし、その時、山に止まっていたグループの一人が、六花であると警察から連絡が来て…


 「柊」とよばれていたからには、偽名で、どっかに所属していたのかな。