『モデルグラフィックス』2020/6号

モデルグラフィックス 2020年 06 月号

モデルグラフィックス 2020年 06 月号

  • 発売日: 2020/04/25
  • メディア: 雑誌
 久しぶりに新刊を購入。
 新型コロナで公開延期になった、映画「トップガン」の続編「マーヴェリック」の公開予定にあわせて企画された特集。ハセガワ1/72F/A-18Eスーパーホーネットの制作講座とスパホの解説がメイン。
 スパホって、F-14と比べても大柄な飛行機なんだな。トムキャットがフェニックスミサイルを抱えて、ダッシュで敵重爆を撃退する任務に特化していた飛行機なのに対し、スパホはもっと汎用性に振った飛行機。さらに、大柄にして、積載量が増えたことで、任務に幅ができた、と。
 ハセガワのスパホは、比較的新しい「定番」キット。突き出しピン跡の処理や仮組み、合わせ目消しなどのキットの基本的注意点を紹介。さらに、アフターパーツの利用や塗装の注意点など。艦載機は、ウェザリングも派手目が映える、と。
 ただ、F-14の作例もそうなんだけど、えらく青っぽく見えるのだが。これ、ライティングの関係かな。6-8ページの実機写真でも、確かに青みがかったグレーなんだけど、ちょっと作例は青みが強すぎるように思える。
 あと、アグレッサーのA-4がかっこいい。


 キャラクターキットでは、プレミアムバンダイで限定販売されたスコープドッグカスタムがかっこいい。1/20だからけっこう大きなキットだなあ。


 スケールキットでは、KAモデルの1/24マツダK360オート三輪、タコム1/35ヤークトタイガー、フジミ1/700軽巡多摩が興味深い。
 オート三輪マツダK360は韓国のメーカーKAモデルの新製品。細かいところまで再現された意欲作だが、その分、5000円強となかなかのお値段。キャビンがスライド金型の一体成型というのが、なかなか。作例はかなりきれいに作ってあるが、商用車らしくウェザリングをかけても良さそうなキット。
 ヤークトタイガーは、タコムが値段と部品数を抑えめにして、とっつきやすくした新シリーズ「ブリッツ」の第一弾。3900円だから、タミヤのキット並か、それ以下くらいの値段のものを出してきた。部分連結式履帯を治具で組み立てるなど、作りやすさに配慮したもののようだ。作例は、派手すぎないウェザリングを施した末期戦戦車。
 フジミの多摩は、「艦NEXT」で発売。スナップフィット・多色成形で組み立てるだけで、それなりになるという製品。このシリーズ、軽巡まで広がってきたか。昔は興味なかったのだが、最近、煙突が多い船が正義という感じに。最終タイプではなく、水上戦重視のほうがいいなあ。

岡部ださく「世界の駄っ作機」

 今回は、3Vボマーの保険扱いで、試作しかされなかったショート・スペリンの解説。飛行特性は素直な飛行機だったけど、保守的な設計だったため、より新しい技術を導入したヴィッカース・ヴァリアントの開発が順調に進んで、保険は必要なくなった。高空性能で劣るスペリンは、その点で不利だった。
 そのヴァリアントも、低空侵入による攻撃がメインの戦術になってくると対応できずに退役。アヴロ・ヴァルカンやハンドレページ・ヴィクターに道を譲ることになる。諸行無常

岩重多四郎「世界の舷窓から」

 19世紀末、速射砲の普及で装甲巡洋艦が出現した時代の解説。いろんな目論見で建造された。タンブルホームがキツイこの時代のフランス艦がいいねえ。具体的には、デュピュイ・ド・ローム
 他は、イタリア装甲巡ガリバルディ、日本の千代田・浅間の作例が。浅間はプラキットがあるので、ディテールが充実している。欲しい。

片淵須直「色のいろいろ」

 現物の塗色をテーマとした連載。V-1は空軍、V-2は陸軍所感だったため、色の規定が相当違っていた。その色の規定「RAL 840 R」は現在まで引き継がれている。そのような制度的・工業的背景が、兵器の塗色には存在する、と。