「広島 周期的に土石流:山口大調査:安佐南区周辺 2千年に7回」『熊日新聞』19/2/9

 2014年8月に大規模な土石流が起きた広島市安佐南区の周辺で、過去2千年に土石流が7回、周期的に起きていたことを山口大の鈴木素之教授(地盤工学)らが地質調査で突き止めた。間隔は各地点の地形や地質で異なり、150~400年。この間、山間部の渓流に土砂がたまっていき、大雨を機に一気に流れ出したとみられる。
 鈴木教授は「災害の履歴を知れば、次の発生までの切迫度が分かる。各地域の周期を知ることで事前の対策にもつながるだろう」と話している。
 調査は土石流が発生した八つの渓流の下流域で行った。地層の構造を詳しく観察し、含まれる放射性炭素から年代を分析。土石流がいつ起きていたかを推定した。
 その結果、14年を除くと、1世紀以降に7回起きていたことが分かった。6世紀以降の5回は複数の地点に痕跡があり、大規模だったとみられる。
 このうちの3回は、文書にも記録がある809年、1532年、1850年の大雨の際に起きた可能性がある。
 鈴木教授らは、2009年の豪雨で土石流が発生した山口県防府市でも調査し、過去に100~200年の間隔で起きていたという結果をまとめている。

 安佐南区の土石流堆積物を調査、含まれる木材などからC14年代測定から土石流の発生年代を測定して、周期的に発生していることを明らかに。釜井俊孝『埋もれた都の防災学』に、2009年に防府市の高齢者施設を襲った土石流の渓流が、数百年ごとに土石流を発生させ、しかも、その災害履歴が伝承されてなかったことが書かれていたなあ。


 結局、谷の平野側に土石流堆積物があるような渓流は、周期的に土石流を発生させているということだよなあ。いつかはわからないけど、確実に土石流が発生する。というか、近代に入ってから土石流災害が起きてない渓流はだいたい危険と言ってもよいのではなかろうか。
 全部、調査できれば良いんだろうけど、おそらくお金がかかりすぎてやってられないのだろうなあ。
 熊本県も、割と土砂災害が多いというか、熊本地震で山地の地盤が緩んでいるだろうから、今後土砂災害が頻発するのだろうなあ。