鳥羽徹『天才王子の赤字国家再生術3:そうだ、売国しよう』

 ロワの訪問と冬場の諸侯訪問から戻ってきて、平穏が戻ってきたと思った時、トラブルは向こうからやってきた。だいたい、大陸西方と東方を一巻交代でやっていく感じか。


 隣国となったカバリヌから、レベティア教の聖霊祭とそれに伴って行われる選聖会議に招かれるウェイン。しかし、道中で襲撃に遭い、成り行きでマーデン残党からの人員を加えることになる。
 そして、カバリヌの首都では、カバリヌ王から、ウェインを選聖侯に推挙しようというサプライズが。しかし、結局、ニニムを誹ったことから、ウェインはカバリヌ王を会談の場で殺害。混乱の種をまくだけまいて、逃亡する。
 しかし、その肝心なところで軍の重鎮ハガル将軍が反乱を起こす。
 これを、追っ手のカバリヌ軍をぶつけたり、マーデン残党との同盟で乗り切り、マーデン解放の戦争を行うことに。処刑したはずのハガルを突然、出すといったサプライズ攻撃で、一気に勝利。マーデン王都を解放。
 新生マーデンを盾に国力増強を狙うはずが、マーデンのゼノヴィア王女の策略で、マーデンを併合することになってしまい、ウェインの目論見は崩壊することになる。
 ウェインの弱点は、実際に戦略運営を担うのが、ウェイン自身とニニムだけでマンパワーが足りないということか。なんか、ナポレオンみたいだなあ。


 西側の有力者の個性がなかなか強いなあ。徹底的に贅沢を楽しむソルジェスト王グリュエール、イカれた芸術家志望のロッソ公シュテイル、そして、なにも無いところで騒ぎを起こすのが楽しみなだけの福音局長カルドメリア。どいつもこいつも、混乱大好き人種なのが。
 特に、カルドメリアは混乱を起こすことが自己目的化しているからヤバいなあw