貨物列車日本縦断 -生活を結ぶ貨物輸送- 昭和43年制作 - YouTube

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 コンテナ化過渡期の鉄道貨物輸送の姿を、鹿児島まで運ばれる、北海道納沙布岬の昆布を縦軸に描く。
 納沙布岬で収穫され、干された昆布は、蒸気機関車室蘭本線を経て函館へ。青函連絡船の貨車航送で津軽海峡を渡る。その後は、日本海側を奥羽本線で南下。糸魚川電気機関車に切り替えて、一路南へ。吹田操車場で組み替えられて、今度は山陽を西へ。一週間かけて、鹿児島まで届けられる。今の感覚からすると、時間かかるなあという感じがする。貨車に積み込んでしまえば、あとは封印しっぱなしだけど、その後の積み替えが手間だな。


 1960年代後半のいろいろなレトロな姿がおもしろい。昆布漁の船が木造船だったり、北九州市近辺の船が三島型の昔風な貨物船だったり。昆布の輸送に馬が使われていたりするのね。青函連絡船は、半分カーフェリーで上の甲板に小規模ながら乗せていたり。自動車は、まさに昔の車だし。


 日本各地から積み出される貨物が途中、次々と紹介されると同時に、それらがコンテナ化や荷役の機械化の過渡期にあることが紹介される。
 青森からはリンゴ。機械選果が導入されている。塩釜港からは鮮魚。甲府からは葡萄がコンテナで。長野の高原野菜。九州から東京への高速鮮魚列車。それでも、36時間もかかるのか。愛媛からの蜜柑。ウナギもビニール袋に入れて段ボール詰め。などなど。
 米を産地からばら積みする専用コンテナの試験が興味深い。結局、これ、物になったのだろうか。あるいは、自動車専用貨車による新車の輸送と積み卸し。コンピュータを使った操車場の自動化。操車場を不要とするヤード間直通列車とそれ用の高速貨車の導入。なんとなく今も見かけそうなものと、今は消えてしまった物が同居しているのが印象深い。