佐々木倫子『動物のお医者さん 2』

 ゆるゆると読んで二冊目。作中時間は三年目か。けっこう、1巻の作中の時間経過早かったんだな。


 印象的なのは、菱沼さんが盲腸を手術した医者と再会した23話、拾った九官鳥の持ち主を探す30話あたりかな。しかし、自分が手術されるところを見てる女…
 九官鳥のきゅうちゃん、「クソババア」とか、「エッヨッコイショ」とか、あまり品のよろしくない言葉を覚えてるからどういう家庭環境なんだろうとか思っていたら、実は割と立派なお宅の飼い鳥でという展開がおもしろい。


 大学が舞台ということで学校のイベントも。学園祭に、実習に、講座決めに…
 北の端だと学園祭の時に人は来ないよなあ。本書の効果でどうなったかしらんが。あとは、微生物学の同定実習、調べるのそっちのけで先生の反応を見ようとする学生共と先生の情報戦が楽しい。わざと割って、反応を見ようとする学生。それに対し、先生は破傷風菌と思わせて引っかける。
 どの講座にするかで右往左往する3年生たちもなんというか。まあ、そんなものだよね。初動の漆原教授の不人気ぶりと「天国の島ツアー」の噂での形勢逆転。そこからの真相は地獄の孤島標本採集という種明かしの流れが。最終的に漆原教授のもとにはハムテルと二階堂が入ることに。


 あとはハムテルの父母初登場とか、急患を持ち込まれて緊張するエピソードとか、小夜ちゃんとか。
 片付け魔小夜ちゃん、なんかすごいなあ。漆原教授のがさつさに耐えられず、公衆衛生に講座変えw




 解説は大学の先生が書いているが、そういえばこの時代から大学は改革改革言われていたんだな。30年改革を続けた末に、大学は死にかけてるのだが。教育に関しては、そろそろ「改革禁止令」が必要な時代だよなあ。