月夜涙『回復術士のやり直し:即死魔法とスキルコピーの超越ヒール 5』

 ここからは積み本崩し。
 今回は魔王打倒フェイズ。ここいらはサクサク読めるなあ。


 ジオラル王が「黒い力」をまとった人間を連れていたという情報を聞いたケヤルガは、剣聖クレハを回収するため、一度、星兎族の集落を密かに脱出し、ブラニッカへと向かう。しかし、当のクレハは、ケヤルガの復讐相手、「砲」の勇者ブレットの手配によって王国を離脱。魔族領域へと向かっていた。
 ブラニッカ近郊で合流を果たす2人。
 ブレットは、新たな勇者が選出される特異点の時と場所のデータを残していた。クレハは、いっそうケヤルガ後からになるために、勇者の力を望む。わなを警戒しながら、勇者の力を手に入れる。


 続いては、魔王攻略の前段。
 魔王側に通じている星兎族などの勢力をどう騙すか思案するケヤルガとエレン。ふと、星兎族の魔王候補で星兎族長キャロルの娘、ラピスが感染症で苦しんでいることを知る。情報を得るがてら、治療を申し出る。そこで、魔王側から薬と偽った毒が送られてきたことが明らかになる。
 それを知ったキャロルは、自ら魔王に通じていたことを明かし、偽情報で裏をかくことを提案する。ケヤルガの後押しもあり、その作戦が通り、王都を奇襲し、神鳥カラドリウスの疫病で一気に壊滅させ、ケヤルガ一行が魔王の首を取りに突入する作戦が遂行される。


 それでも情報漏れがあり、ジオラル王国の「黒い騎士」による襲撃を受けつつ、さらに作戦を早め、攻撃をしかける一同。カラドリウスの疫病で首都を一掃し、結界に守られた中枢に突入する。
 つーか、魔王、さすがの強さだな。
 実は「黒の神」の器であった魔王。その力で致命傷を与えても修復される魔王。それでなくても腐食の力で打ち合うことができず、体毛は圧倒的な防御力を誇る。苦戦しつつも、魔王を回復させるからくりが体内に埋め込まれていることを知り、イヴの貫通力の高い魔法によって魔王を倒すことに成功する。


 イヴを魔王位につけてめでたしめでたしかと思ったところで、ブレットとその指揮下の黒い騎士が介入。疲弊した状況で奇襲を受け、防御に手一杯の隙に魔王の心臓=賢者の石をブレットに奪われてしまう。
 次巻は、先回りして、ブレットがジオラル王国に賢者の石を持ち帰り、儀式魔法を遂行するのを阻止するべく、一気に機動し、ジオラル王を倒すお話に。


 しかし、先を読んでふりかえると、この段階から、すでにケヤルガはブレットの策に嵌まりまくってるのね。そして、それを覆すのは最後の最後でしかなかったわけか。それはそれですごい話だ。