月夜涙『回復術士のやり直し:即死魔法とスキルコピーの超越ヒール 7』

 この時点で、8巻を買い損ねていたので、いったんここまで。とりあえず、本書末までは、なろうの連載でも読んでいた。


 ジオラル王を打倒したケヤルガ一行は、ジオラル王国の再建とイヴの権力確立のために奔走しつつ、賢者の石を持ち去ったブレットの行方を捜す。戦勝したイヴ与党も若いイヴを見くびって、裏で暗殺や反乱を画策する。イヴを害するものを排除するために血の雨を降らせるケヤルガ。
 一方、ジオラル王の黒い力が失われても生き残ったブレットは、グランバッハ帝国に逃げ込んで、ジオラルとの戦争を使嗾する。


 そろそろジオラルにと動いたケヤルガ一行は、北方の街に誘い出され、足である竜騎士を倒され、足止めされてしまう。一方、グランバッハ帝国とその連合軍は速やかに進軍。ケヤルガが行動できないうちにジオラル王国を滅ぼそうと画策する。
 ケヤルガは竜の遺体を素材として、錬金魔術で「飛行機」を作り出し、一気にジオラルまで帰還。ブレットの目論見を外し、さらにフレイアの最高位魔術によって一発で遠征軍を壊滅させ、押し戻すことに成功する。


 ケヤルガとエレンは、和平を申し出、グランバッハ帝国の帝都で和平交渉のテーブルに着く。一撃で都市をも破壊する戦略級魔法と飛行機による攻撃力。さらに、エレンによる根回しの結果、グランバッハ帝国を追い詰め、ブレットの引き渡しを飲ませることに成功する。


 しかし、グランバッハでの活動は、ケヤルガに対する目くらましに過ぎなかった。一気に盤面をひっくり返してくるブレット。
 彼は黒い力をたどり、根源にたどり着き、賢者の石を使うことで黒い力を使いこなせるようになった。それによって、グランバッハ帝国を内側から食らいつくし、すべて黒い騎士のようなものに変えていた。
 山のような化け物に囲まれて、敗走するケヤルガたち。
 脱出の可能性を考えて準備していた飛行機によって、エンリッタ王国のカスタ王子を含めた一同は脱出には成功する。そして、ケヤルガを餌にしてのブレット誘導策を考えることを決める。


 しかし、つくづくケヤルガとブレットって似たもの同士だよなあ。性的指向はともかくとして。どっちも、愛する者と好き勝手に生きたい。ただ、ブレットのほうが永遠にこだわってるというか、相手の自主性を考えない感じがあるが。