月夜涙『回復術士のやり直し:即死魔法とスキルコピーの超越ヒール 2』

 白狼族の集落を救ったケヤルガは、改めてラナリッタへ戻る。しかし、ラナリッタには、白狼族の集落を攻撃したジオラル王国軍を襲った剣士の捜索、そして、ケヤルの捜索のために「剣聖」と王国兵が送り込まれていた。
 同じ流派の剣士がジオラル兵を襲ったと聞き粛清に来た「剣聖」クレハ・クライレット。そして、フレア王女に復讐したとき、ヒールで姿を変え、身代わりにした近衛騎士レナード。襲いかかってくる相手を、時には正面から、時には奸計で退けるケヤルガ。


 そうこうしているうちに、故郷の人々を公開処刑するという話が流れてくる。クレハの協力を得て調べると、故郷の村は言いがかりを付けて滅ぼされ、生き残った人はケヤルガを引き寄せる餌として利用されていた。
 ケヤルガは、彼らを救出するため、策を弄する。
 観客の魔力を使って作られる結界を改造して、ケヤルガを待ち構えるジオラル兵が魔力を失うようにする。さらに、ジオラル王国の闇をフレイアに暴露させることで一気に王国の信望を落とす。ここいらのエピソードはなかなか好き。


 しかし、人質となった村人を殺されても、まったく止まらないケヤルガ、なかなかぶっ壊れているなあ。理屈としては、殺した王国兵が悪いというのはまったくその通りなのだが。