蝸牛くも『ゴブリンスレイヤー 4』

 短編集。
 牛飼い娘へのプレゼント費用稼ぎに単独行動メインのゴブリンスレイヤーに対して、休日を過ごす女性陣。あるいは、重戦士、槍使い、ゴブリンスレイヤーとちょっといつもと変わった組み合わせの依頼などなど。
 しかし、神々がTRPGをやるTRPG的世界で、登場人物がTRPGに興じるというメタさがなんとも。


 第一章はちょくちょく絡んでくる新米戦士と見習い聖女のカップルパーティのエピソード。巨大ゴキブリ、怖い。そいつが飲み込んだ剣を回収するとか、ガチ泣きものだわ…


 第二章は、ゴブリンスレイヤーが助けに来てくれたゴブリンスレイヤーって感じだな。最初読んだときは、うわここから惨劇が始まるのかと思った。


 第六章は重戦士、槍使い、ゴブリンスレイヤーといういつもと違う組み合わせの冒険。
 突然塔が出現し、ガーゴイルが道行く人々を襲うようになり、国から討伐の依頼が。たまたま、予定が空いていた3人で挑むことに。複雑な迷宮塔を、外からの登攀でスキップ。高レベル戦士が集まってるからこその荒技w
 そして、不死の魔法使いを塔から突き落として倒す。「言葉持つ者の手により殺されることはない」を逆手にとってというのは、TRPGのリプレイでもよくある裏をかく手の一つだなあ。しかも、不死身の魔法使いをスパイダーウェブで拘束、口を塞いでという身も蓋もないやり口。


 第九章は、エルフ、ドワーフリザードマンの3人組がゴブリンスレイヤーに声をかける直前のエピソード。あの最初の遺跡探索とオーガのイベント、魔神の軍事作戦の一端だったのか。ヒューマンの代表を加えるために辺境の街に向かう途中に、デーモンの襲撃を受けたお話。リザードマンが圧倒的に強いなあ。


 他は、女の子組の休日。休日に手持ち無沙汰な牛飼いの娘に、女神官に受付嬢。一方、汚部屋ハイエルフ。エルフ、履いてないのか…
 最後は女性陣が集まって、TRPGというか、卓上演習。ぼろ負けって、ちょっとシナリオが厳しすぎないか。
 伯父さんに無理矢理休みにされる牛飼い娘といい、女神官ちゃんといい、ちょっとワーカホリック過ぎないか。というか、神官ちゃん、ゴブリンスレイヤーに引っ付いてるということは、けっこう稼いでそう。