くまもと文学・歴史館「かたくなにみやびたる:蓮田善明と『文藝文化』」

 戦争直前の文学運動「日本浪漫派」の一翼を担った雑誌『文藝文化』をメインに、その編集をになった蓮田善明を紹介する企画展。なんか、昭和10年代の国粋主義思潮の徒花という感じがするなあ。戦局の逼迫と共に、紙が供給されなくなって廃刊というあたり。


 植木生まれで、済々黌から広島高等師範学校に入学。ここで師事した斎藤清衛の門下生たちが、同人を作って、『文藝文化』を創刊。文学・教員系で予備士官になってるのが珍しい経歴だな。
 三島由紀夫を見いだした雑誌か。棟方志功が表紙絵を描いているというあたりの位置づけが興味深い。


 文学者って、崇高系のお話に弱い人多いよなあ…


 この展示会ではあんまり語られていないけど、終戦時に上官を射殺して自決というから何やったのかと思ったら、想像以上に腕白だった。抵抗部隊の組織とか、本土がどうなってるか知らないからこそだろうなあ。
 つーか、中条大佐の言動に関して、蓮田のお仲間の証言しか残ってないんだからなあ。後に残ってる話が怪しい気がする。気に入らない人間を朝鮮人認定するのは、現在のネトウヨと変わらんなあ。