熊本県立美術館「美術館コレクション2」展、2回目

 とりあえず、会期中に県立美術館を訪れたので、入ってみる。結局、セット券と別棟単独で百何十円しか変わらないしな。ついでに、漆芸品をまた見たくなったので。
 ざっと見て、前期と展示品が変わらないなあと思ったら、展示替えは衣装人形だけだったのか。そして、今回スルー。


 とりあえず、高野松山と音丸耕堂の漆芸品が良いなあ。写真撮りたいけど、著作権法上の問題か、撮影禁止なんだよねえ。
 高野松山「乾漆蝶模様花瓶」は、茶色の地に蝶が描かれている作品。形、蝶の密度、地の茶色の色味と見所が多い。同「乾漆提盤」はわざわざ乾漆で竹を再現しているところがおもしろい。あとは、ボディ部分が白と濃茶でモザイク模様なのが目を引く。
 増村益城「乾漆盛器(日の丸)」は四角形の盛器の真ん中にボカした朱漆の円がドデンと描かれているのが、目を引く。縁のぼかし具合がいいんだよなあ。
 音丸耕堂「彫漆茶花文茶器」は、各種の色の漆を塗り重ねた後、削ることで形を生み出している。シャープに削り込んだ黒と白のコントラストが印象深い。ぱっと見、これが一番魅力的。同「乾漆かたばみ文茶器」は、塗り重ねた漆の特性が良く出たデザインで、黒と白でカタバミの形がシャープに表現される。


 陶芸作品では、加藤幸兵衛「萌黄金彩吉祥文水指」の色がいいなあ。中国の官窯で見かけたような、いい感じの黄緑色に、金彩がマッチしていて。永楽善五郎「紅安南茶碗」は似たようなのがあったら自分用に使いたい感じ。なんか、かわいらしい。


 絵画では、5点展示されている江田豊の作品が目立つ。海老原喜之助の見いだされて、抽象画を描くが、東京に転勤して徐々に影響を脱していく。個人的には「供物」あたりがいいかな。