ぽよ子『公爵令嬢は我が道を場当たり的に行く 2』

 本編後半戦。学院生活からのエリザベスとレオンの結婚まで。
 ポンコツヒロイン、マリーさん登場。乙女ゲーのヒロインキャラなんだけど、そのゲームのタイトルをど忘れしている、ゲーム展開を避けたい。そもそも、攻略対象が面倒くさくて嫌で、乙女ゲーム展開を避けるべく別の学校を受験する。
 記憶力とか、いろいろなところで雑とか、緊張するとバイブ機能が止まらないとか、いろいろとポンコツさが強調されるけど、14歳で難関大学(のようなもの)に受かってるし、知識チートで下着商売で大成功しているという、なかなか優秀な娘なんだよね。


 大学生活、ヒロイン乗っ取りを企てて、瞬殺される3人目の転生者とか。いくら家がダメダメでも、徹底的に潰されるのがなあ。


 やたらと強い下級使用人が、居心地が良さそうに好きかってしているマクナガン家。レオン王太子から、「魔境」呼ばわりされるそこで、腕試しを強いられる護衛騎士連中。前世シミュレーションゲーマー以前に、マクナガン家の環境がエリザベスの性格に影響しているよなあ。
 あと、祭壇用の肖像画をねだられて、精神的ダメージを受けてる王太子殿下とかw


 デビュタントのダンスの練習エピソードも楽しい。運動神経がアレで、蹴りまくるエリザベスに、それを避けまくる「死神」。使用人楽団。ダンスの講師を買って出た王女殿下に、バイブ機能が壊れまくりのマリーさん。結局、デビュタントで転けて大泣き。


 しかしまあ、レオン王太子のエリザベスに対する執着がすごいなあ。執事長に警戒されて、直々に監視&部屋の鍵強化しまくりという。指より数えて、あと何年何ヶ月と言ってくるのが…
 本編ラストはやっと結婚式。からのその後のお話。


 しかし、エリザベスの周り、色気のない結婚が多いなあ。リナリア王女とアリスト公爵の国政に関わりたいコンビに、マリーとポール・ネルソンの商会経営してがっぽり行くぜコンビといい。同志と同僚。エリザベス自身も、王太子妃に選ばれた理由が、政界に影響を与えない家系という政略結婚だし。
 結局、平民出身の医者志望同級生エミリアが、一番ヒロイン的というか。学院の先輩にアタックして、卒業後すぐ結婚。即妊娠。